黒柴スポーツ新聞

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新天地で結果を出す~元ソフトバンクの山田大樹、ヤクルトで2年ぶり勝利&4連勝

ソフトバンクファンだが、密かに気になっている。ヤクルトスワローズ山田大樹。2017年秋、ソフトバンクから無償トレードされた。2019年シーズンは2年ぶりの勝利を飾り、それを含んで4連勝と結果を出している。

 

無償トレードというのは、ソフトバンク山田大樹を構想外にしたところにヤクルトが手を差しのべたから。差しのべた、というと救う感じがするが、実際、ヤクルトが手を挙げなければ山田はプロ野球選手ではなくなるところだった。チームは変わるけれど、山田にとってはありがたい話だったに違いない。

 

ヤクルトはかつての野村再生工場が有名だが、その後もちょこちょこ選手を獲得して一花咲かせようとすることでチームを強くしようとしている。自前の選手を徹底的に鍛え、補強が少ない広島とは対照的である。

 

私は異動が多かっただけに、トレードや移籍した選手についつい目がいく。新天地でも頑張ってほしいなあと、ついつい肩入れしてこのブログでも書いてきた。思うように生きられない人たちが自分を重ねられるのか、そういう記事の視聴率は悪くない。共感もしてもらえるようで、この森岡良介記事はわが黒柴スポーツ新聞で唯一の3ケタシェア。森岡もまたヤクルトに拾われた選手だ。

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山田大樹は左投げだし、先発ができるから面白い存在だと思っていたが、登板機会がなかなかないままソフトバンクを去った。気になる選手がいなくなるのはファンとしては寂しいが、さらに寂しいのはそのままいなくなってしまうことだ。だから山田がヤクルトに行くことが決まった時はよかったなあと思ったことだった。

 

同じプロ野球チームとはいえ勝手が違うだろうし、新しい環境で結果を出すのは生え抜き以上に大変だ。山田は初年度は勝てなかった。しかし2年目の今年はじわじわと勝ち星を積み重ねている。豪速球があるわけでもない。代名詞のウイニングショットがあるわけでもない。それでも勝てるのは丁寧なピッチングだからだろう。最近は軒並み150キロを投げる人ばかりだが、こういう勝ち方も味がある。

 

無償トレードで獲得した選手が2年がかりとはいえ4勝してくれたことは、ヤクルトの編成的にもまずまずというところではないか。今年は広島の下水流と巨人の和田恋が楽天に移籍した。彼らは元いたチームではなかなかレギュラーの壁を崩せなかった。壁を崩してこそプロ野球選手なのかもしれないが、何かのきっかけでブレイクする選手はもっともっといるのではないか。日本ハムに移籍した宇佐美なども面白い存在になりそうだ。

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山田は残りのシーズンで何勝できるだろうか。外様選手は生え抜きよりも厳しい立場だ。だが山田はそもそも育成出身。はい上がってきた男だ。まだ30歳。結果を出すことで1年でも長くマウンドに立ち続けてもらいたい。


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