黒柴スポーツ新聞

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開幕投手・千賀滉大の自覚を促した攝津正の引退~エース不在が次代を育てる

ソフトバンク開幕投手に千賀滉大が決まった。2年連続。しかし、去年とはモチベーションが違うようだ。Full-Countの記事「『こういう選手になりたいと…』2年連続の開幕投手、千賀滉大の意識を変えた出来事」を読むと、それがよく分かる。


大きな出来事だったのは攝津正の引退。ここ数年はけがで満足に投げられなかったとはいえ、2012年から5年連続で開幕投手を務めたエース。いるといないのとでは、まったく違うということだろう。

千賀は昨シーズンの開幕戦は「試合を壊さないように程度にしか思ってなかった」という。育成初の開幕投手。心中、期するものはあったと思うがあえて自然体でいようとしたのかもしれない。

だが、開幕投手はやはり特別だ。長いシーズンの初戦であるだけではない。このピッチャーを軸にローテーションを組むんだ。このピッチャーを先頭に戦うんだ。そういう、指揮官の決意表明なのだ。だから、去年は負けなかったとはいえ、千賀の「試合を壊さないように」という考えは、甘いと言われても仕方がない。

やはり組織にエースなり実績がある人がいると、若手はどこか甘えが出る。いざとなればあの人がいるじゃない、と。何とかしてくれるんじゃないか、と。エースが大黒柱であればあるほど後輩が育たないのは皮肉なものだ。


しかし、もう攝津正はいない。そして千賀は今、こう考えている。
「最後まで投げたい」
自分でけりを付けねばならない、という意味だ。この決意を知った時、あらためて思った。ああ、本当に攝津正は引退してしまったのだなあ、と。次代のエースに自覚を促したのは、攝津正のカッコいい置き土産に思えた。
3月29日からの開幕カードは西武戦。西武は初戦、多和田真三郎を立てる予定だ。エースの不在が次のエースを育てる。その意味では、菊池雄星がメジャーに旅立った今、多和田もまたエースへの道を歩みだしている。 千賀滉大と多和田真三郎。果たしてどちらが長くマウンド上に居続けられるだろうか。初戦から目が離せない。

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