黒柴スポーツ新聞

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先輩の抜けた穴は後輩の伸びしろ~オリックス山岡泰輔が狙っていた開幕投手をゲット

人事異動の季節。エース級の人材が他部署に行くと、期待できることは後輩の成長である。その意味で、2019年シーズンはオリックスの山岡泰輔に注目したい。

 

長年オリックス投手陣を支えた通算120勝の金子が日本ハムへ。そして、近年はオリックスの軸であった西勇輝がFAで阪神に移籍した。オリックス球団は大打撃である。
 
若手の奮起に期待したいところだが、その一人が山岡泰輔だ。若手、と言ってもオリックスは社会人出身投手を積極的に獲得してきたから、山岡らはすぐにでも結果を残したい世代ではある。
 
山岡泰輔は決して恵まれた体格ではないが投げっぷりがよい印象だ。しかしいま一つ「勝ちきれない」イメージがある。急に単調になるのだろうか? 2017年は8勝11敗。2018年は7勝12敗だ。
 
申し訳ないが、オリックスだからこそたくさんチャンスがもらえている気もする。一方で、強力打線がバックについていたら、2桁勝てている気もする。金子も西もいないのだから山岡は頑張らなきゃいけないのだが、とうとう開幕投手に指名された。  

「2人が抜けて狙っていた。自分がこのチームのエースになりたい気持ちも大きかったので、ビックリすることはなかった」(スポーツ報知より)
何と! 山岡は開幕投手を狙っていた。  
 
それを担えるだけの人材だが、このチャンスをものにできるかどうかは山岡の野球人生を大きく左右しそうに思う。これは人事異動で頼れる先輩に抜けられた後輩あるあるなのだが。 
  
これまた申し訳ないが、西勇輝がいたら西が選ばれていたと思う。日本ハムに移った金子だって、結果的には上沢に開幕投手を譲ったが開幕投手候補に挙げられていた。山岡は山岡で調整がうまくいっているのかもしれないが、果たして先輩たちがいたらそれを押しのけるまでに至っていたかどうか。 
  
しかしこれもまた人生である。先輩たちが一気にいなくなった。そして開幕投手の大役が回ってきた。これはビッグチャンス。開幕投手は12人しかなれないわけで、貴重な経験となるに決まっている。独特の緊張感を味わうだけでも成長の一歩になるだろう。 
  
また、開幕投手は初戦を任されるのと同時に、この一年をローテーションの軸任せたぞという意味もある。2016年ドラフト1位、まだ23歳の山岡にとって、飛躍のきっかけにしたい1年であることは間違いない。 
  
力ずくで奪い取った開幕投手と、先輩が抜けたことで手にした開幕投手は意味合いが違うのかもしれない。しかし、開幕投手開幕投手。大事なのはそこで結果を残すことだ。人事のアヤで職場のエースに抜てきされた人も同じ。要は結果を残せばいいのだ。そうすればおのずと周囲が認めてくれるはずだ。
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山岡泰輔がポテンシャルをいかんなく発揮して初の2桁勝利をマークすればオリックスもAクラスが見えてくる。そして社会人出身の多い投手陣のよい刺激にもなる。着火剤にもなりうる山岡泰輔の踏ん張りを楽しみにしていよう。


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