黒柴スポーツ新聞

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レギュラーは逃げられない~ソフトバンク栗原陵矢が迎える勝負の夏

栗原陵矢が不振に喘いでいる。7月23日の日本ハム戦では犠牲フライを放つも無安打。終盤には代打を送られ御役御免となった。これで5試合続けて無安打。開幕直後がうまくいきすぎたのか、疲れがたまってしまっているのか。この日のサンスポに、ソフトバンク平石コーチは栗原について「逃げさせない」、という記事を見つけた。栗原陵矢、まさに今が踏ん張りどころだ。

「この現状から絶対に逃げさせないです。レギュラーを奪う、張るというのはそういうこと。(これからの)ホークスのことを考えたらクリ(栗原)はそれだけの能力を持っている。レギュラーを張るのはそれくらい、重圧もあるし大変なこと。この現状から逃げていたらね」(サンスポ記事より、平石コーチの言葉)
そう、レギュラーでいるということは重圧との戦いでもある。上り調子の時は回りが見えなくても、とにかく突っ走ればいい。結果は後からついてくる、といった具合か。逆に、結果が出ない時は相当プレッシャーがあるだろう。プレッシャーならまだいい。初めてレギュラーをつかんだ選手であれば、その座を手放してしまう不安も感じてしまうのではないか。しかしそこから逃げることは許さない、と平石コーチは言う。そこを踏ん張らないと、本当の意味でレギュラーの座は守れないと言いたいのだろう。

レギュラーは逃げることを許されない。苦しくても乗り越えて結果を出さないといけない。それでも栗原が幸せなのは、このくだり。「クリはそれだけの能力を持っている」。今後のホークスのことを考えたら、壁を乗り越えてもらわねば困ると言われているのだ。年齢的にも、栗原がスタメンに定着すれば当面打線の軸になりうる。やってもらわねば困る選手なのだ。

今まで出たりでなかったりの選手が常時出る選手になれば、疲労の蓄積は未体験ゾーンに突入して、本人もどうしたらよいのか分からなくなるかもしれない。オリックス戦で解説の亀山努が、スタメン定着1カ月目でドンと疲労の波が来ると話していた。試合に出続けながら疲労と付き合うのは難しいと思うが、栗原はそこも乗り切らないといけない。

一塁を守ってきた栗原だが、この日の日本ハム戦ではレフトに回った。来月になればデスパイネとグラシアルが合流するかもしれない。この助っ人たちはレフトを守る可能性がある。一塁は中村晃も守る。指名打者バレンティンなのかデスパイネなのか。その頃、栗原は好調を取り戻せているのだろうか。選手層の厚いソフトバンクで、しかも2000本安打の内川聖一を差し置いてレギュラーをつかんだ栗原。まさに勝負の夏を迎えようとしている。


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