黒柴スポーツ新聞

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まずは与えられた仕事をやりきる~ソフトバンク板東湧梧、好投続けて先発候補へ

日本ハムとは1点を争う、しのぎ合う、しんどい試合をしてしまうホークス。そんな時頼りになるのがリリーフ陣なのだが、7月23日の試合では板東湧梧が躍動した。4イニング1安打無失点。投手分業制が定着した今、ロングリリーフは珍しいのだが、板東は投げるイニングが少しずつ増えている。ひょっとして……と思うに決まっている。実際、すぐに日刊スポーツに「ソフトバンク板東4回0封 次戦は先発起用も」という記事が出た。

板東の良さって何だろう? 低めへのコントロール。ブレーキの効いたカーブ(を含めた緩急)。顔? 度胸? 全部正解かも。しかし私はこのコメントにしびれた。
「今日も先発したい気持ちはあった。いずれつかむために、与えられたポジションでしっかり投げたい」(日刊スポーツ記事より)
そう、目標をとらえるために大切なのは「今」。まずは与えられたポジションを全うすることで、板東はそれを理解し実践している。それが一番素晴らしいと思う。

コメントにもある通り、板東には先発志向があるようだ。バンデンハークが離脱して、23日の先発は板東という報道もあった。しかし先発したのは笠谷だった。笠谷もよく踏ん張ったが宇佐美に手痛い3ランを浴びてしまった。板東が登板したのは4~7回だった。無失点で切り抜けたので試合は締まった。最終的にホークスは競り負けたのだが、板東の好投はホークスファンにとって光明に見えた。板東の防御率は3試合で0.93となった。三振を奪えるのも魅力的。工藤監督ならずとも、先発で投げる姿を見たくなるのはうなずける。まだ完投は難しくとも、試合は十分作れそうだ。やりたいことに挑戦するためにも、まずは与えられた仕事をやる。当たり前のことではあるけれど、実践してステージを上がろうとしている板東は素晴らしいと思う。


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