黒柴スポーツ新聞

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お灸の据え方はよく考えた上で~原監督、首位攻防戦で小林誠司を外す

首位攻防戦でマスクをかぶったのは小林誠司ではなく、岸田だった。正確に言えば小林は2戦目の途中で交代。3戦目のスタメンマスクは岸田だった。

これをどうとらえるか。原辰徳監督は意固地になっているように思えた。というのも2戦目の途中交代は、リードを許す展開になったことへの戒め、平たく言えば懲罰的な交代に見えた。だから解説の川相昌弘は「キャッチャーを代えても、打たれるものは打たれる」と小林をかばった(ように聞こえた)。川相昌弘は、ベテランの炭谷がけがで離脱していることから、今が踏ん張り時だと小林を激励していた。

小林誠司Photo Book

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その2戦目は皮肉にも、岸田の捕逸が決勝点となった。坂本勇人の起死回生の同点タイムリーの後だっただけに、痛すぎるミス。しかし岸田は初出場であり、鈴木康友Twitterで「荷が重すぎる」と岸田をかばった。泣き顔の絵文字を使っていた。おれも1軍に上がったころ、ボテボテのショートゴロをトンネルしたよと。雰囲気。緊張感。そしてプレッシャー。岸田には今まで感じたことがないものばかりだっただろう。

さすがに原監督も、負けの遠因は自分で作っただけに、バッテリーミスを責めはしなかった。小林の交代については小林が悪い訳じゃなく、悪い流れだったからそれを変えたかったからだと説明。そして負ければ0.5ゲーム差に迫られる大切な3戦目には起用しなかった。代役の岸田も踏ん張ったが結局、3戦目もDeNAに競り負けた。

こういうことをしているから、小林誠司が伸び悩んでしまうように見える。原監督の性格からして、小林すまん、やっぱおまえに託す!とは言えないのだろう。もちろん、昨日の今日でやり返せ、そうじゃないと負け犬になってしまうぞという意味で岸田を起用する意味もなくはない。しかしまだひとやまもふたやまもあるとはいえ、大事な首位攻防で選手を疑心暗鬼にするような起用をしていては、チームのムードが盛り下がりはしないか。

結果が出ない時こそ前向きにリーダー原辰徳84の言葉

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大胆な起用は当たればハイリターンだが、レギュラー選手の気持ちも大切だ。プロ野球だから懲罰交代も否定はしない。しかし3戦目は「切り替えてやってこい」と小林誠司スタメンでよかったのではないか。ペナントレースの鄒せいを占うこの首位攻防戦の経験は小林誠司にも必要だ。精神的な荒療治よりも、勝つために何が必要なのかをグラウンドで経験させる。レギュラー選手のお灸の据え方はよくよく考えてやった方がいい。


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