マスコミはいつまでキャッチャーを女房役と表現するのか~言葉の力でよりよい社会に
まずはこのスポーツ報知記事の見出しを見てほしい。
【巨人】小林誠司、正妻はオレ!今季初実戦形式でアピール2安打
要は小林誠司が正捕手はオレなんだぞと打撃面でもアピールした(まんま、ですが)ということ。だが、私は思った。
「キャッチャーのことをいつまで正妻とか女房役というのかネ」
もう平成も終わろうとしているのに。
小林誠司―読売ジャイアンツ (スポーツアルバム No. 59)
- 出版社/メーカー: ベースボール・マガジン社
- 発売日: 2017/08/21
- メディア: 雑誌
- この商品を含むブログを見る
正妻やら女房役という表現はいつからなのか。もちろん正確には分からない。キャッチャーが妻や女房という表現なら、ピッチャーは夫ということになろう。今や同性カップルも応援されつつあるので、夫とは決めつけられない。パートナー、といったところか。
ZETT(ゼット) 野球用 軟式 キャッチャー 防具4点セット BL302SET ネイビー(2900)
- 出版社/メーカー: ゼット(Zett)
- 発売日: 2017/06/19
- メディア: スポーツ用品
- この商品を含むブログを見る
そもそもなぜ妻なのか。それは生物学的に雄は「出す」側であり、雌が「受け止める」側という考えだからだろう。ピッチャーは投球を行い、キャッチャーはそれを捕球する。だから女房役となる。
谷繁流 キャッチャー思考 (当たり前の積み重ねが確固たる自信を生む)
- 作者: 谷繁元信
- 出版社/メーカー: 日本文芸社
- 発売日: 2017/07/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
しかし、数はまだまだ少なくとも「主夫」もいる。妻が外で働き、夫が家事を主にやるパターンだ。それが今後増えていけば、妻イコール支える側という概念は薄れていくに違いない。
- 作者: 織田淳太郎
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2014/06/13
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
いや、むしろ日常的に、そうじゃないよという雰囲気作りのためにも、もうキャッチャーを正妻とかいうのはやめてもいいんじゃないかなと思うわけだ。
ハタケヤマ 野球用 捕手用守備用手袋 BGM-70PRO(W):左手用のみ ホワイト(W) 26cm
- 出版社/メーカー: ハタケヤマ
- メディア: その他
- この商品を含むブログを見る
だいたい、野球を知らない人からしたら正妻争いとか意味が分からないだろう。正妻は本妻なのか? 二番手キャッチャーは側室? まさか浮気……まあ、小林誠司からしたらコンビを組んできた菅野智之がほかのキャッチャーを指名したら浮気と言えなくもないか。
報知新聞社 菅野智之 (読売ジャイアンツ) 2019年 カレンダー B2 プロ野球
- 出版社/メーカー: 報知新聞社(Hochi Shimbun)
- 発売日: 2018/10/27
- メディア: オフィス用品
- この商品を含むブログを見る
さて、私が小中学生の頃はクラスの名前順はまだ男子→女子の順。今はミックスが主力だろうか。まだまだ性別に分かれているだろうか。これも深層心理で、男子からというのが男性優先が染み付く要因とみている。
週刊ベースボール 2018年 9/10 号 特集:優勝へ、強打の捕手あり!2018キャッチャー特集[保存版:歴代優勝球団捕手一覧]
- 作者: 週刊ベースボール編集部
- 出版社/メーカー: ベースボール・マガジン社
- 発売日: 2018/08/29
- メディア: 雑誌
- この商品を含むブログ (1件) を見る
また、民放のニュースはだいぶ女性がメインキャスターを務めているが、NHKはテレビ、ラジオとも男性アナ→女性アナという順で「おはようございます」「こんばんは」と番組内であいさつしている印象だ。NHKの影響は大きいから、この辺りから男女をあまり意識せず進行していけばもっと男女平等が進むと思う。
NHK アナウンサーとともに ことば力アップ 2018年10月~2019年3月 (NHKシリーズ)
- 作者: NHKアナウンス室,NHK放送研修センター日本語センター
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2018/09/18
- メディア: ムック
- この商品を含むブログを見る
というわけで、スポーツメディアも正妻とか女房役などの表現をやめれば男女平等が劇的に進む……とは言わないが、無意識に女性は支える側だ、サポートする側だ、引き出す側だ的なイメージを作らずに済むのではないかと思う。
- 作者: 里崎智也
- 出版社/メーカー: カンゼン
- 発売日: 2017/05/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
高校野球でも大学野球でもマネージャーは女子とも限らない。男子でも女子でも、支えるのが得意だとか、サポートすることに喜びややりがいを見出だす人がやればいい。男だからとか女だからではなく適材適所でいいのだ。
松坂世代の無名の捕手が、なぜ巨人軍で18年間も生き残れたのか
- 作者: 加藤健
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2017/11/30
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
去年の夏には女性教諭が部長を務める三重の白山高校が甲子園に出場した。女子生徒が練習を積極的にサポートする学校もあったと記憶する。硬球を使うから危ないという理由は分かるが、それなら安全第一の環境を作って女子もいっしょにやったらいいと思う。最近は打力が向上しているから相当気を付けねばならないだろうけれど。
- 作者: 水沼四郎
- 出版社/メーカー: ザメディアジョン
- 発売日: 2009/04/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- クリック: 11回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
正妻だ女房役だと書くのはある種言葉遊びだと承知している。コーチとして入団するのを「入閣」なんて書くのと同じ類いだ。だから目くじら立てる意味もあまりないのだが、正妻とか女房役と書いている限り、世の中の意識は変わらない。言葉を大事にする職業だからこそ、記者も編集者も言葉がもたらす影響に思いをめぐらせ、社会を少しでも住みよいものにしていければと思う。
あわせて読みたいキャッチャー関連記事はこちら。
tf-zan96baian-m-stones14.hatenablog.com
tf-zan96baian-m-stones14.hatenablog.com
tf-zan96baian-m-stones14.hatenablog.com
tf-zan96baian-m-stones14.hatenablog.com