黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

三森、価値ある猛打賞〜ソフトバンク8試合ぶり勝利に貢献

ソフトバンクが8試合ぶりの勝利だ。立役者は誰かと聞かれたら私は三森大貴を推したい。レイは初勝利おめでとうだし、今宮47イニングぶりチームタイムリーも殊勲。松田の2度のホーム生還もさすがの熱男ぶりだし、柳田悠岐の豪快なポール直撃弾で多くのソフトバンクファンがこのところの鬱憤を晴らすことができた。中村晃犠飛、犠打、犠飛という献身ぶりは頭が下がる。でも、今夜は三森のサイクルヒットにあと数十センチに迫る大活躍を書き留めておきたい。

Amazon 

直近の日本ハム3連戦、なんとソフトバンクは合計11安打だったらしい。1試合平均4安打以下。これじゃ勝てない。貧打にソフトバンクファンは怒りが沸点に達し、選手の起用を含む作戦面から小久保ヘッドコーチへの批判が噴出。「代打明石」がツイッターでトレンド入りした日もあった。うまくいかない時はこんなもんだろうが、ソフトバンクファンには精神衛生上悪い1週間であった。それは選手も同じだっただろうし、本当に悔しかっただろうと思う。そんな沈痛なムードをまず振り払ったのが三森の初回先頭打者初球三塁打だった。あれこれ考えず、甘い球は積極的に打ちに行ってほしい。そんなファンの願いを体現してくれた。すぐに中村晃が犠牲フライを打ってくれたので、三森の三塁打にさらに価値が出た。

Amazon 

三森の勢いは止まらず、次の打席でセンター前ヒットを放った。これで松田が進塁し、さらに中村晃のバントで三塁に進んだ松田が柳田の犠牲フライで帰ってきたから、やはり三森のヒットは価値がある。三森は第3打席で見逃し三振に倒れるも次の打席では二塁打を放ちまた松田が三塁に到達。今度は中村晃が犠牲フライを打ち、松田が本日2度目のタッチアップ成功。ソフトバンクファンの筆者が見てもアウトに見えた際どいタイミングだったが、タッチアップに備えた松田の素早い帰塁と気迫のスライディングの賜物だった。そのお膳立てをしたのは三森の二塁打だった。

あとホームランが出たらサイクルヒット。自分で気が付いていたのか人から言われたのか、解説の里崎智也いわく「狙っている」というスイングだったが、第5打席でライトポールをかすめようかという大飛球をかっ飛ばした。私はこれが何よりうれしかった。ようやくスタメンを手にしようかという選手が個人記録のためにスイングするのは邪道なのかもしれない。しかしチャンスがあるなら思い切って狙いにいってほしい。今の停滞するソフトバンクのムードに足りないのはそういう貪欲さに思えて仕方なかったから余計にそう思った。結果的に三森は三振して偉業はならなかったが、三森の積極的なバッティングが見られて満足した。そろそろ牧原大成が戻ってきそうだが、その時は三森と牧原のどちらがどう使われるのか。牧原は三森の活躍をどう見ていたのか興味深い。

スタメン起用された谷川原もヒットを打ったし、スタメンを外された松田はヒットや走塁でアピールに成功した。バレンティンはそろそろ見切って真砂を使ってもいいと思う。今のソフトバンクに必要なのは三森たち若い力だ。そのエネルギーと勢いであれば調子のいいオリックス相手でもいい勝負ができる気がする。首脳陣にはぜひ若手の起用をお願いしておきたい。


福岡ソフトバンクホークスランキング