黒柴スポーツ新聞

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開幕スタメン狙う上林誠知と栗原陵矢~ソフトバンク、助っ人欠いても活性化

虎視眈々という言葉がある。ホークスの場合は鷹だから虎ではないのだが、虎視眈々とホークスの開幕スタメンを狙っている男が二人いる。上林誠知と栗原陵矢だ。私、黒柴スポーツ新聞編集局長が定期購読している地方紙(6月7日付)に共同通信配信のホークス2020年予想オーダーが載っていた。
①上林誠知 ライト
今宮健太 ショート
柳田悠岐 センター
バレンティン DH
松田宣浩 サード
内川聖一 ファースト
⑦栗原陵矢 レフト
⑧甲斐拓也 キャッチャー
⑨牧原大成 セカンド
充実のラインナップ。開幕が待ち遠しい。

上林といえば長打も狙え肩もよい野手としてレギュラーの座を手中にしたと思われたが、2019年は骨折の影響もあり打率1割台とまさかの低迷。ただ、個人的には骨折の前から自分のポイントで打てていない印象を持っていた。振らされる、打たされる。すべてにおいて受け身のバッティングになっていたのではないか。上林が普通に打てていれば、もう少し柳田悠岐離脱の穴は埋められたはずである。もちろん上林自身、モヤモヤは相当あっただろう。こんなはずじゃない。その思いを胸に今ようやく再びレギュラーの座を手中に入れようとしている。歯車が狂ってしまった時期は苦しかっただろうが、いかにして復調したのか。とても興味深い。

上林が再浮上ならもう一人の栗原は初のブレイクというか、まさに覚醒だ。代打で起用されるなど、もともと打撃に定評はあったかもしれないが、紅白戦や練習試合でホームラン、長打を連発。中には京セラドームの5階席に届く特大弾も。これは首脳陣にもよいアピールになったことと思う。栗原は6年目。本職はキャッチャーだから、ここ数年伸び盛りの甲斐拓也の陰に隠れてしまっていた。キャッチャーでスタメンの座を勝ち取るのが理想だけれども、甲斐には一日の長がある。キャッチャーは特に経験が求められるポジションだからだ。ゆえに栗原がまず打撃でアピールし、徐々にキャッチャーでも評価を得ているのは今のところ大正解と言える。

選手層が厚いホークスで二人も新しいスタメンが生まれるのは何でかなと思ったが、そう、デスパイネとグラシアルがいないのだ。キューバから出られないのか、日本に入るのが難しいのか。ともかく日本に来られても2週間は別行動が求められるし、調整もある。今年はデスパイネとグラシアルに頼らない布陣を描かねばなるまい。ホークスが素晴らしいのはこのピンチをチャンスにしている上林と栗原がいる点だ。強いチームは穴が開いてもすぐに傷口が埋まり、何なら活性化する。特に栗原にとってはビッグチャンス。コロナ禍に伴う助っ人不在をチャンスと言っては不謹慎なのだが、まさに明徳義塾馬淵史郎監督が説く「棚ぼた理論」である。ぼた餅をゲットできるのはそのポジションにちゃんと栗原がいたから……栗原のコツコツやってきた努力が報われた、ということになる。

とかなんとか見ていると2020年のホークス打線は味がある。
上林は復活を目指す。
今宮は変わらない安定感。
柳田は昨年の分を取り返す。
バレンティンは移籍初年度。
松田宣浩内川聖一はベテラン健在。
栗原はブレイクの年。
甲斐は背番号19初年度。
牧原は周東に負けられない……
まさに三者三様いや九人九様、それぞれにドラマがある(今宮はちょっと渋めだが)。各自燃えるものがあれば手の付けられない打線になるはず。あわよくばデスパイネとグラシアルも絡めて2020年こそライオンズを倒してリーグ優勝してもらいたい。


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