黒柴スポーツ新聞

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前もって負荷をかけてみる~ソフトバンク4番中村晃が好調な要因とは

ソフトバンクが好調だ。柳田悠岐の打率は3割8分台に突入したが、もう一人、勝負強さを発揮している人がいる。中村晃だ。いわゆる「つなぎの四番」だが、要所要所でタイムリーを放っており、だんだん4番の風格が漂い出してきている気がする。

7月28日の試合は圧巻だった。五回に同点タイムリー。六回には勝ち越しタイムリー。六回2死満塁、フルカウントで西武の平井と対決する様子をradikoで聴いていた。「ランナー全員還らないかなあ」と期待したら本当に走者一掃。さすがわれらが4番である。

29日の日経新聞スポーツ面に中村晃の記事が載っていた(筆者は馬場到さん)。あの満塁の場面。「ヒットだけではなく、四球もある。そのことを頭に入れ、難しい球はファウルにすることも意識した」そうだ。これはサラリーマンの日常でも役立ちそう。ついつい来た球(案件)は全力で打ち返そうと思うもの。しかし厳しい条件であればひとまずファウルにして態勢を整えることも必要だ。そして必ずしもヒットでなければいけないわけでもない。四球を選べば押し出しで点が入るのだ。とにかく得点できればよい。私もそういう臨機応変な対応ができたらなと思う。ちょっと意識してみよう。

もう一つ見習いたいのが、中村晃がやっている負荷のかけ方。何と打撃練習の間から「追い込まれているとか、シチュエーションを意識しながら」やっているそうだ。私はどうしても、練習(準備)は練習、本番(実践)は本番と分けて考えてしまう。だから練習は気楽に行えるが、本番で緊張してしまったりする。緊張するのは本番だけで十分だ、なんて考えているのだが、練習の時にプレッシャーを意識してやれば本番の擬似体験になる。つまり本番は2回目だから、いくぶん楽だし、体もスムーズに動くということだろう。中村晃の好調の要因は平常心だ、と記事に書いてあった。いざというときに平常心になるために、前もって負荷をかけてみる。毎回はできないかもしれないが、心身とも元気で余裕があるときはちょっと試してみよう。


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