黒柴スポーツ新聞

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振らなくていい局面もある〜絶好機にソフトバンク明石、今宮連続三振

バットは振らなきゃ何も始まらない、とは思う。しかし時には振らない選択もある。いや、振ってはいけない局面はあるのだと痛感した。楽天との2点差の試合、8回裏1アウト満塁から明石、今宮健太が連続三振した。しかも二人ともボール球を空振りした。

ストレートとフォークしか投げてない。そう解説の池田親興が言っていた。楽天のリリーフは酒居。落ちる球がウイニングショットであることは明白だった。なのにまんまと術中にはまった。悪いが今季明石と今宮はものすごく打率が低い。であればベンチは打席に送り出す前に「じっくり見極めろ」と伝えたのか。満塁なのだからヒットを打てば一気に2点差が縮まる可能性はあったが、そういうのは中村晃柳田悠岐、栗原陵矢あたりに求めること。悪いが今の明石と今宮ならば、無傷で1点取る押し出しで十分なのだ。しかもこの二人ならばそれは不可能ではない。

もちろん今宮はこの試合2安打していたから打ちにいくのは悪くはない。しかしボール球まで打ちにいってはいけない。まあ、それが我慢できないから二人とも打率が低いままなのだが。山本由伸しかり、田中将大しかり。落ちる球があると分かっていても振ってしまう。そのくらい素晴らしい球なのは分かるのだが、解説の若菜嘉晴も言っていた。「もっとゾーンを上げて臨まないと厳しい。低めのボール球に手を出してしまえば相手の思うつぼ。見逃せば球数を投げさせることにもなり、攻略の糸口になるはずだ」(スポニチ記事、若菜嘉晴氏 楽天・田中将にあってソフトバンク・石川に足りなかったのは制球力 より)。

そう、もうはなから低めの球を視界から除外する。見ない。打たない。それくらいしないと攻略できない。もちろん、落ちる球を見切ったら由伸もマー君もズバッとストレートが来るだろう。だとしても落ちる球より勝機はあると見るがいかがだろうか。きれいにタイムリーで得点するだけが殊勲じゃない。バットを振らないことも時には必要。そう強く感じた試合だった。


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