黒柴スポーツ新聞

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意識次第で環境は変えられる~楽天の浅村栄斗が単調な練習を工夫して意味付け

西武を日本シリーズに連れていかずに楽天に移籍した時点で、浅村栄斗は冷たいヤツだなと思った。が、面白い思考の持ち主だなと評価が変わった。何と、バッティングマシンで7通りも打ち方を変えていた。元ネタは日刊スポーツ「楽天浅村が死んだ球で生きた打撃披露、若手にも波及」から。



設定すれば一定の球速、一定のリズムで投げてくれる。それがバッティングマシンのいいところである。一方で、それに対応できてしまえば素直に打ち返すことができてしまう。プロ野球選手であればなおさらだ。

浅村は同じように投じられる球に対して、自分が立ち位置やスタンスを変えていた。そうやって工夫して対応力を伸ばしていた。

これは社会人的にも見習いたい。
年次が上がるにつれ経験も知識も蓄積されるから、一定のリズムで振られる仕事は真芯でとらえられるようになる。そこは間違いない。

それができるようになったら、次は対応力、応用力だ。そのためには自ら環境を変えねばならない。だが新しい環境は、ほんの少し自分の立ち位置を変えるだけでも手に入れられる。そんなことを浅村が教えてくれているように思えた。

また、立ち位置を変えるだけで、単調な作業が意味のある作業になることも示唆してくれている。漫然と日々の作業をこなしてしまいがちだが、ほんの少し意識を変えるだけで、単調な作業にも意味を見出だすことができるのだ、と。

同じ作業でも、ただやるだけではつまらない。逆に、意味付けをすることで生きた作業へと昇華できる。そのためには日頃から何を何のためにやるのか、常に目的意識を高めておく必要がある。
浅村が楽天に入った意味は打線の強化とばかり思っていたが、浅村の加入は同僚に高い意識を浸透させているようで、移籍の価値はこちらも多そうだ。意識の高い人の移籍は周りを巻き込むのだな、とあらためて思った。


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