永渕洋三伝の作者・澤宮優さんからコメント頂きました~「燃焼の瞬間」「打撃投手」「野球狂列伝」産んだ優しい眼
ブログに珍しくコメントを頂いた。誰かいなと思ったら見覚えのあるお名前。先日ご紹介した「『あぶさん』になった男 酒豪の強打者・永渕洋三伝」の著者、澤宮優さんだった。
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ノンフィクション作家さんが一読者のブログにコメントをくださるのか?と信じられないのだがともかく「さわみやゆう」さんから一言頂いたのだった。
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黒柴スポーツ新聞では以前、「裏方 プロ野球職人伝説」を紹介して、著者の木村公一さんからメッセージを頂いたことがある。ここはあえて自慢しよう。木村公一さんも澤宮優さんも「黒柴スポーツ新聞」の記事に対してコメントをくださったのだと。編集局長が作品を楽しんだり噛み締めたりしたことが伝わったのだろう。
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もう一つ。お二人ともが丁寧な人柄なのだろう。たまたま黒柴スポーツ新聞を「立ち読み」した。でもそっと足跡を残してくださった。そう思っている。
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本棚を見返したら澤宮優さんの本がいくつかあった。きょうはコメントのお礼かたがたそれらを紹介させていただく。
「プロ野球・燃焼の瞬間 宮田征典・大友工・藤尾茂」。巨人の大昔の選手の話だ。著者略歴にあるように1964年生まれの澤宮優さんご自身だってリアルタイムで見られていない時代の選手を描写している。おかげでわれわれ読者は時空を超えて古きよき時代の野球を楽しむことができる。最近の野球を追うのもいいが、過去の名選手にも敬意を払いたい。
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宮田征典は抑え投手として活躍した時間帯を取り入れたニックネーム「八時半の男」として有名。1965年にはほぼリリーフで69試合に登板し20勝5敗と抜群の成績を残した。
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大友工は130勝という数字以上にタイトルがすごい。最高勝率2回、最優秀防御率1回、最多勝2回、最優秀選手1回、ベストナイン1回、沢村賞1回。1952年にはノーヒットノーランを記録している。
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藤尾茂は強肩強打のキャッチャーと書かれていた。森昌彦とその座を争った。
どうだろう。巨人だったら王貞治、長嶋茂雄、あるいは川上哲治といった巨星がいる。そういう人の物語を書く人もいる(いた)のだが澤宮さんが注目した上記3人は小惑星といっていい(もちろんスター選手ではあったが)。黒柴スポーツ新聞編集局長は何が好きかって、澤宮さんのこういう優しいまなざしである。
「打撃投手」という本など、そのまんま。木村公一さんの「裏方」に出てくるグラウンドキーパーもすごいが打撃投手も裏方中の裏方。打たれないように投げていた人が打たれるために投げる。その姿から何を学ぶのかが大切だ。
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「記録より記憶に残る野球狂列伝」もタイトルがいかにも澤宮さんの本という感じ。人生「記録」ばかりじゃない。鮮やかな、爽やかな印象を残した人が勝者。そう思いたい。
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興味をそそるように、目次をそのまま書いておく。一人でも興味を持ったら縁があったということでぜひ本をご覧いただきたい。
第1章 奪三振日本記録 野田浩司
第2章 難波のエース 山内和宏
第3章 伝説の10.19 阿波野秀幸
第4章 代打代走ヤジ将軍 中井康之
第5章 二代目コーちゃん 島本講平
第6章 球界初の天覧ホームランを打った男 小田野柏
第7章 スカウト 永野吉成
黒柴スポーツ新聞では山内和宏と島本講平について紹介したことがある。どちらも本を参考にさせていただいた。
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とまあ分かりやすく過去記事を並べて宣伝しているが、お分かりいただけたであろう。黒柴スポーツ新聞がいかに澤宮優さんの労作にお世話になっているかということが。だからこそコメントが頂けてうれしかったわけだ。
ブログのおかげで今年は新たな縁ができた。早いもので残りあと1カ月半だがこれからも縁をつむぎ太めていこう。澤宮さんの作品についてはまた読み返したくなった。さまざまな形でブログに活用させていただくつもりである。澤宮さん、本当にありがとうございました。
きょうの1枚は澤宮さんの著作にも出てくる吉原正喜。捕手で記録した30盗塁というのも俊足の証。ファールフライを捕ろうとダグアウトに突っ込むファイターとしても知られている。こんなファンを喜ばせることができる人が戦争で帰らぬ人になるなんて…。今の選手たちにはプレーできる幸せをかみしめてもらった上で、ファンを喜ばせてもらいたい。