黒柴スポーツ新聞

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ただ勝つのではなく圧勝する〜箱根駅伝、タイムにもこだわった青山学院大学

2022年の箱根駅伝青山学院大学が総合優勝を果たした。2位に10分以上の大差をつける圧勝。勝負は決していたのに、最終盤の9区と10区で区間賞かつ区間新。容赦がない。前年4位だったわけだからまずは勝つことが至上命題なのに、タイムにこだわったのはさすがだ。

勝ち方にこだわった人のことを思い出した。ある首長選。引退の現職に、最後にやりたいことを聞くと「(後継を)勝たす」。さらに付け加えた。「圧勝で」。あまり賑やかなタイプではない政治家だったから、驚いた。だが考えてみたら当然か。圧倒的に勝てば支持基盤は盤石。目指す施策を実行しやすいに違いない。その道筋を作るのが最後の仕事というわけだ。後継候補を作るというやり方の是非は別として、勝ち方にも意味や違いがある、ということは勉強になった。


その点、青山学院大学は他校を萎縮させる意味まではなさそうだ。あくまでも自分たちで高い目標を立ててそれを追い求めた。ただ勝つのではなく、いいタイムで勝つ。優勝以外にも目標を持てた時点で青学は一つレベルが違った。それにしても箱根駅伝はどれだけレベルが上がっていくのか。きょうからまたしのぎの削りあいが始まっている。


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