パ・リーグ中継、アメリカに輸出~注目されると困る、ソフトバンク投打の柱
8月10日の日経新聞スポーツ面を見て驚いた。「パ・リーグ、米で生放送」「今月から200試合以上 普及へ英語で実況」という見出しがあった。コロナでアメリカでは野球の試合が激減、野球に飢えた視聴者を取り込みたい放送局の思惑と、米国進出を模索してきたパシフィックリーグマーケティング(PLM)の方向性が一致した、というのが記事の筋である。こんな素敵なニュース、なぜ一般紙を見ている私は気付かなかったのだろう。非常にワクワクする話題だ。
それにしても時代は変わった。アラフォーの私は少年時代、パ・リーグのユニフォームが見たかった。しかし野球中継は巨人戦が定番。パ・リーグのユニフォームを見られるのはオールスターと日本シリーズ、あとは日々のプロ野球ニュースと決まっていた。とにかく日本ハムやロッテ、南海あたりには飢えていた。落合博満や門田博光の打席を堪能したかったなと思う。
それが何とアメリカでパ・リーグを見られる時代になるとは! 野茂、イチローから大谷翔平まで、日本人選手の活躍で日本人選手の印象は悪くなかろうと思う。そのうち日本の球団の帽子やユニフォーム、Tシャツなんかで街を歩く人が増えたりして。楽しみが増える分には構わないのだが、一つ気になることがある。柳田悠岐を獲得したいという声が出やしないか、という懸念だ。
柳田悠岐は7年契約を結び事実上の生涯ホークス宣言。メジャー移籍を封印したのだが、2020年、規格外のホームランを連発。並のバッターならフライになりそうな角度の当たりでもなぜかスタンドイン。パワーが違うようだ。ホークスファンからしたら余計なこと書くんじゃねえよと言うかもしれないが、ギータのパワーがメジャーの中でどれくらい通用するのか、一度は見てみたいなと思ってしまう。明るいキャラクターだからすぐにチームにも溶け込んで面白いことをしてくれるに違いない。だがそうなればホークスにはとてつもなく大きな穴が開くのだが。
ソフトバンクにはもう1人、千賀というメジャー志向の人がいる。もちろん一番はチームのために投げてくれるはずだが、自分が投げる試合がアメリカで放送されるとなれば格好のアピール機会だ。もともと評価は高そうだから、千賀に触手が伸びないか、こちらもヒヤヒヤしてしまう。ムムム、もしやこうやってホークスの投打の柱を抜いてしまい、パ・リーグを面白くさせようという魂胆?なんて思わなくもないが、特に千賀についてはアメリカに行くならば日本で最多勝&リーグ優勝してからチャレンジしてもらいたいと思う。
日本のスモールベースボールがアメリカの視聴者に受け入れられるのか疑問もわくが、緻密な継投、送りバントの技術力、そしてスリリングなペナントレースはアメリカの野球ファンにも受け入れられるのではないかと期待している。