黒柴スポーツ新聞

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松坂大輔西武復帰の見出しに感じた違和感~大幅減俸も覚悟、なんて当たり前

松坂大輔が古巣・西武に復帰する方向だという。それもいいかな、松坂が引退するよりはいいかなと思ったのだが何か心にモヤモヤが残る。その理由が分かった。見出しだ。私が見た日刊スポーツ記事は「松坂大輔、14年ぶり西武復帰へ 大幅減俸も覚悟」。見出しは間違ってなどいない。私が違和感を感じたのは「大幅減俸も覚悟」だ。

プロ野球 復活の男たち (TJMOOK)

プロ野球 復活の男たち (TJMOOK)

 

 

これは私が松坂大輔を応援したい以前に、ソフトバンクファンであることに起因する。ご存知のように松坂大輔ソフトバンク入団をもって日本球界に復帰した。しかしまったく結果を残せなかった。結果論と分かってはいるが、年俸4億円の3年契約だからしめて12億円。もちろん松坂大輔というネームバリューも、過去の実績も加味されての年俸だから、ソフトバンク球団が納得していれば周りがとやかく言うものでもないかもしれない。しかし何かを言いたくなるというのがファン心理。期待の裏返しでもあり、私は松坂大輔にはソフトバンクでも年俸に見合う活躍をしてほしかった。戦力になってほしかった。けががあったから仕方なかったのだけれども。

そんなわけで、記事を読んで、中日ファンの気持ちになってしまった。引退のピンチに手を差し伸べたことに対しては、松坂はカムバック賞をもって報いたとは言える。しかし8000万円まで上げた年俸に対してこれまたけがの影響とはいえたったの2試合登板。残るにしても移籍するにしても、これで松坂が大幅減俸しなかったら他の選手はどう思うだろうか。大幅減俸も覚悟、なんて当たり前だ。そう思ったからこそ私は日刊スポーツの見出しに違和感を持ったのだった。ここは「中日ファンには感謝」という見出し、あるいはそういう趣旨のコメントがほしかった。中日ファンには同情する。

契約社会だからビッグネームに大金が投じられるのは当たり前だ。しかし大金を投じる裏ではその10分の1にも満たない年俸の選手たちが戦力外通告を受けている。もちろんその選手が力を発揮できなかったから戦力外になってしまうのだけれど、億単位の年俸の選手が極端に出場できなかった場合は何割か返上という流れはできないだろうか? 言ってみれば逆出来高的な。その原資があれば戦力外ボーダーラインの選手にもあと1シーズンの猶予が生まれる……というのは甘やかしだろうか。

俺たちの「戦力外通告」

俺たちの「戦力外通告」

 

 

別にお金の話ばかりしたいわけではないが、松坂大輔の西武復帰が既定路線ならば次は彼の年俸がどうなるか興味深い。グッズの売上、若手への影響など有形無形の指標から算出される松坂大輔の年俸とはいくらなのだろうか。それがいくらだったとしても、松坂大輔にはぜひ年俸以上の活躍をしてファンを納得させてもらいたい。


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