黒柴スポーツ新聞

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男気見せた川島慶三の新背番号は99~バレンティンとナインを橋渡し

見事だ。
見事すぎる。
川島慶三が背番号を変更した。ソフトバンクバレンティンを獲得。バレンティンはヤクルト時代に背番号4を背負っていたため、川島慶三自ら球団に、背番号4を譲ると申し出たのだという。どうやら4はバレンティンが付けるよね、とソフトバンクファンは分かっていたのだが私は仰天した。川島慶三が新しく付ける背番号が99だったからだ。

99はかつて中村紀洋が背負ったことがある。プロ入り初の番号66をひっくり返したと本人が語ったとの説明をWikipediaで見つけたが、中日で育成を経て背番号99を背負ったのを見ると崖っぷち感があった。松坂大輔も同じく中日で99を背負ったが、崖っぷち感と、足したら18になる両方の意味合いが感じられた。川島慶三の背番号99は自分で選んだのだろうか? コメントによれば球団は、背番号4を川島慶三に付けてほしいと話したという。それは川島がバレンティンに譲ったわけで、話の流れからしたら球団が提示しそうな番号ではない。となると川島慶三が選んだのかもしれない。だとしたらどんな思いを込めてのことなのか、詳しく聞いてみたい。左殺しで背番号4。必殺仕事人感が半端なかったので私は川島慶三の背番号4が大好きだったのだが、支配下登録で最も重い背番号99もなかなかのインパクトだ。99のグッズ買って!と川島はコメントしていたが、私も何かしら身に付けたい。バレンティンは緩慢なプレーをしたり私生活でお騒がせしたりと、チームに馴染めるか不安視しているファンもいる。ましてや年俸5億円。日本シリーズで巨人に圧勝し、もはや補強は要らんのじゃないの?と言いたくもなるが、念には念を入れての獲得なのだろう。2019年はデスパイネ、グラシアルが相次いで離脱した時期もある。リスク管理の範疇かもしれない。川島慶三はもろもろの事情は分かりつつ、しかしバレンティンのことはリスペクトしているとの姿勢を貫いている。そうやってバレンティンとチームの橋渡しをしている。たまたまヤクルト時代に同僚だっただけかもしれないが、川島は日本ハム→ヤクルト、ヤクルト→ソフトバンクと移籍を経験しているだけに、チームに溶け込む難しさやコツを知っていて、バレンティンのために一肌脱いだのだろう。川島慶三が背番号を譲るくらいの選手だ、となればイメージは変わってくる。もちろんバレンティンにはそれ相応のプレーが求められる訳だが。……からの川島慶三背番号99である。カッコよくないはずがない。背番号99が2ストライクから粘って四球を選ぶのかな。背番号99がライト前に打ってランナー1、3塁になるのかな。背番号99が左腕対策で1番バッターになるのかな。何かをやってくれる背番号99に期待しよう。


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