黒柴スポーツ新聞

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起用されたらすぐ結果を出す~ソフトバンク、福田と明石の活躍で打線に厚み

ソフトバンク打線が活発だ。8月14日の楽天戦で則本を4回でノックアウト。その後も手を緩めず19安打12点の猛攻で6連勝とした。そのおかげで久々先発の武田翔太は序盤ふらついたものの8回まで投げきってしまった。9回は笠谷を投入したのでいわゆる勝ちパターンの中継ぎ陣は小休止。思わぬ「夏休み」となったのではなかろうか。

 

ゲームの流れ的には武田翔太が和田恋に同点2ランを打たれた直後にやり返したグラシアルのソロホームランが大きかった。最近のソフトバンクの攻撃は攻め時を心得ており、非常に効率的である。

 

ソフトバンクは打線に厚みがある。それを生み出しているのは控えの頑張りである。8月14日は福田秀平の1番起用が大当たり。いきなり則本の出ばなをくじくヒットを放って出塁し、中村晃のタイムリーで先制のホームを踏むなど、3安打2打点と結果を残した。まあ、福田秀平はスタメンでも起用されるから控えという表現もビミョーではあるが。

 

福田秀平が毎試合出ないのは何ともぜいたくな起用に思うが、他にも明石が出たり出なかったりだ。ただし、二人とも起用された時はコツコツヒットを重ねている。明石も福田秀平と同じようによく試合に出るから、控えというのもビミョーではあるが。14日の試合では途中出場の高田や上林もヒットを放った。そう、今のソフトバンクはとにかく結果を出し続けないと試合に使ってもらえないのだ。

 

なぜ起用された人が次から次に結果を出すかと言えばこの競争原理と同時に、それぞれがきちんと準備をしているということだろう。呼ばれてから準備をするのではなく、出るつもりで準備している。エンジンを温めているのだ。だからスッと試合に入っていけるのだろう。

 

かつて明徳義塾高校馬淵史郎監督が言っていた。
「ぼた餅を手に入れるのは、棚に一番近いもん。手を上げ続けるのは辛(つら)いが、一番努力したもんがぼた餅を手に入れる」(朝日新聞記事、松井5打席敬遠の舞台裏で 明徳・馬淵監督に学んだこと より)

 

棚ぼたなんていうとラッキーな展開を思わせるが実は相当な努力があるから手にできる。ライバルチームと戦うまでに、まずはチームの中でアピールしていかないと試合に出られない。それをベテランの福田や明石がやっている。牧原、高田、上林、周東らは福田や明石以上にアピールしていかないと試合に出られない。それこそ餓えた獣のように貪欲にならないと……

 

前半戦はけが人や離脱が相次いでしんどい時期もあったがそこは若手にも台頭とベテランの頑張りで乗り越えた。今、一番の踏ん張り時でチーム内で競争できているのはまさに「けがの功名」なのだ。


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