不適切やじには厳罰を~ヤジ将軍は腕の見せ所
カープおよびカープファンに対し、原爆落ちろ云々のヤジが飛ばされた。言語道断である。
発言の主は「酒が入っていた」と釈明しているが、ご丁寧に発言の際の映像をネット上にアップしていた。酔っていたのは酒に、ではなく自らの品のないヤジに、ではないのか。
野球においてはヤジも観戦要素の一つ。今日(こんにち)ほど応援が統制されていない時代は場内アナウンスくらいしかなく、ヤジがよく聞こえたという。この辺りは永井良和氏と橋爪紳也氏の著書「南海ホークスがあったころ 野球ファンとパ・リーグの文化史」を読んでおさらいした。
南海ホークスがあったころ---野球ファンとパ・リーグの文化史 (河出文庫 な 26-1)
- 作者: 永井良和,橋爪紳也
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2010/05/01
- メディア: 文庫
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本によれば鶴岡一人監督も、野村克也もうんざりさせられていた。昔は卑猥な言葉を発したり、選手の女性関係を語ったりもしていたそうだ。まあ女性関係については事実ならかばいようはないのだが。
気の毒なのは南海の阪田隆選手。坂田利夫と名字の読みが同じなのが災いし「アホの阪田」とヤジられたそうだ。(出典は南海ホークスがあったころ)
今回のヤジを報じる記事には「不適切やじ」という見出しが付いているが、じゃあ適切なヤジはあるのか。それは、思わず笑っちゃう、かつ、風刺がきいているものと思う。怒りに任せて乱暴な物言いにはなっては、場がしらけるだけだ。
差別的な言動についてはサッカー界の方が厳しい。チェックされたらスタジアムに入れなくなることもあるし、裁判所から観戦禁止処分が出た例もある。
プロ野球でも、ヤジがよほど悪質な場合は同様の措置をとってもよいと思う。スタジアムにはたくさんの少年少女も来る。やはりお手本にならないといけない。そう、今こそヤジ将軍の腕の見せ所なのだ。緩慢なプレーにはスパイシーなツッコミを入れ、素晴らしいプレーには賛辞を惜しまない。メリハリをきかせて一緒にプロ野球を支えましょう。