黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

好き嫌いはあるかもしれないが野球ファンにはコストパフォーマンスが高い近藤唯之氏の野球本

今夜も熊本の動向を気にしながらの執筆です。今更ながら建物の耐震化は重要と感じています。

 

先日、久々に古本屋に行った。所用は不要になった物の売却。家人のものがほとんどだ。通勤の途中に古本屋があるため帰宅途中に寄ってきた。

 

野球の本は買っても買ってもきりがない。古い選手が好きなので基本的に新品の本を買わなくて済む。好き嫌いはあるだろうが近藤唯之氏の本は集めている。100円プラス税で買えることが多いからだ。文庫本1冊で相当の知識が手に入る。コストパフォーマンスがものすごく高い。特に黒柴スポーツ新聞編集局長が現役時代を知らない選手についてのくだりは重宝している。

 

近藤氏についてはウィキペディアによると「取材に行かないで書いている」という批判もあったという。本を読む限り、現場にいかないでよく書けるなと思う濃い内容だが著書をすべて読んだわけでもない。作り話をしてはいけない。それは記者の鉄則である。近藤氏が作り話をしたりふくらました部分があったのかもしれないが基本的に読んでいて面白い。面白いからこそ作り話があったとしたら残念だなあ。選手の生き方をサラリーマンに重ね合わせる作風は大好きなので編集局長は勝手に「師匠」とあがめているのだ。間違いであってほしい。

 

黒柴スポーツ新聞はこれでも相当裏取りに時間をかけている。仕事でもないのによくやるなと思うが、せっかく遊びに来てくれた読者に誤った情報は伝えられない。なのであやしいくだりは伝聞調になるがお許しを。事実は事実として書きながら独自目線のスパイスをちょっぴり感じてもらえればという思いだ。

 

実力不足で所定時間内に労働が終わらない日々が続いている。ゆえに先日その古本屋で買った近藤唯之著「比較野球選手論ー一球に賭けるプロフェッショナルたち」もまだ読めていない。ぱらぱらっと立ち読みする間もなく購入を決めた。題名がいいし近藤氏の本にハズレはない(今のところかもしれないが)。今、本紙書庫には近藤氏の著書が8冊あるので久々の「仕入れ」となった。面白かったらまた「読書感想文」にチャレンジしてみたい。

 

比較野球選手論―一球に賭けるプロフェッショナルたち (新潮文庫)
 

 

本紙編集局長も一度だけ近藤氏の「創作」を疑ったことがある。「プロ野球名語録」に収められた宇野勝一世一代のヘディング事件についてだったが、宇野がフライをおでこに当てて落球し星野仙一が激怒したのは有名な話。だが、本によれば星野は宇野をなぐさめるべく食事に連れ出した。しかし前を走っていた星野の車が止まったところに後続の宇野の車が追突。その時に星野が「またおでこか」と口走ったというのだ。学生時代に読んだ記憶を頼りに書いているので少々記憶違いはあるかもしれないがだいたいそういう流れ。とにかく星野がそんな気のきいたこというかなあと怪しんだのだ。 

 

しかしそんなことはどうでもいいほどこの本はめちゃくちゃ面白かった。一つの名言(迷言?)につき見開き2ページのみ。この潔さがまず、いい。エピソードをしこたま知っている近藤氏にしてみたら書かないこと自体がストレスだったかもしれないが読むほうは次々知識が入ってくる。ずいぶん勉強になった。また100円コーナーで見つけたら即購入間違いなし。別に古本屋でなくともおすすめの一冊。ぜひご覧ください。

 

古本屋では実はもう一冊購入した。大野豊著「全力投球」。これも108円。それにしてもひねりがないタイトルだな。とはいえきっとそういう内容なのだろうと思う。読めていないが。こちらは持ちこんだ売却物の査定中にちらっと立ち読み。おっとここで内容を言ったらもったいないのでじっくり読んでからにしよう。

全力投球―我が選んだ道に悔いはなし (宝島社文庫)

全力投球―我が選んだ道に悔いはなし (宝島社文庫)

 

 

 

今やサッカー人気も定着しているがまだまだ野球が勝っている(と思われる)のが競技に派生する本の数。テクニカルな本ではなく選手の自伝的なものや球史を再構成した本のことだ。野球には「間」があり、サッカーには「流れ」がある。「流れ」では立ち止まる間がないが「間」だといろいろな場面を切り取りやすい。だからこそ野球観連本が多いと本紙は見ている。そしてもう一つが記録の種類の多さ。野球は個人がフォーカスされやすい団体競技なのだ。試合以外でここまで楽しめる競技も珍しい。

 

黒柴スポーツ新聞も一切取材に行かずに書いているのだが曲がりなりにもそれができるのはこれまでの知識の蓄積と蔵書とこの発達したネット社会のなせるわざ。ただしただだれかの記事を切り貼りするような手抜きはしていない。そんなのは編集でも何でもないからだ。ともかく野球の本を読むためにも早く帰宅したい。いや「たい」ではだめだ。来週も確実に忙しいが時間を捻出しよう。

 

きょうの1枚「きょう1」は何かにかこつけて出したいと思っていた人。近藤つながりで近藤和彦に決定。「てんびん打法」をぜひ生で見たかった。16年で1736安打。打っていたからこそこの奇想天外なフォームは批判されなかったのだろう。社会人たるもの批判は実力で封じ込めるものだよと言わんばかりの近藤の個性にあやかりたい。

 

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昨夜の内川聖一の涙といい、スタジアムやJリーグ試合会場での募金と言い、被災地・熊本を思う行動には心が動かされる。熊本地震、どうか一刻も早く鎮静化してほしい。

 

 


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