黒柴スポーツ新聞

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自分と戦っている状況では苦しい~ソフトバンク4連敗、チームも加治屋も踏ん張り時

過ぎたことをぶり返してもいけないが、昨夜のソフトバンクの敗戦は残念だった。打たれたこともそうだが、この日本ハム3連戦、何か、弱気が伝染しているように思えるからだ。初回に打ち込まれた大竹耕太郎、4四死球と乱れた甲斐野央、そして救援しながら満塁にして降板した加治屋蓮。勝負の前に自分との戦いに負けてやしないか。

 

7月17日の日本ハム戦で加治屋は、4イニング投げて降板したスアレスの後を引き継いだ。しかし二塁打やセンター前に抜けそうな当たり(これは何とか牧原が食い止めたがアウトにはできず)で1死一、三塁に。問題はそこからだった。中島にタイムリーを浴びた後、加治屋はストライクが入らなくなった。

 

3ボールになった時、解説の加藤伸一は言った。勝負にいけている段階じゃない、自分と戦っている状況だ、と。これではいかにも苦しい。これは早めの継投をした方がいいと加藤伸一は提案したが、加治屋はそのままストレートの四球を与えて満塁の状況で降板してしまった。結局、リリーフした松田遼馬が踏ん張りきれず2失点。点差は4点に広がった。

 

調子が出ない時。それは得てして相手との勝負にはならず、自分で自分を追い込んでしまいがちだ。それでは勝負にならない。駆け引きにもならない。逆に自信があったり、結果が出ている時は自分のペースで攻められる。その点では、4-0とリードを広げた直後の5回にノーアウト一、二塁とランナーを背負いながらも無失点で切り抜けた日本ハム先発の有原航平はさすがだった。さすがリーグ最速10勝目を挙げるだけのことはある。

 

勝負に敗れるとしても、せめて相手とは勝負したいものだ。やるだけのことをやってうまくいかないならまだ納得できるが、力が発揮できなければ消化不良になるだけで成長にはつながらない。それではいかにももったいない。そういえば「四球から生まれるものはない」と工藤公康監督は言っていたなと検索してみたら、その試合(5月12日のロッテ戦)で加治屋は2四球を出して押し出しの1点を与えていた。

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同じ四球でも攻めて厳しいコースを突いての四球ならば意味はあるが、昨夜の加治屋は明らかに精神的な余裕のなさがピッチングに表れていた。モイネロが離脱することを考えても、加治屋にはしっかりしてもらわないと困る。特に今季はかなりリリーフ陣が若返っているだけに、優勝の味を知る加治屋には自分が引っ張るくらいの気概がほしい。4連敗で、グラシアルが離脱、そしてモイネロも……チームにとっても加治屋にとっても、今が踏ん張り時である。


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