黒柴スポーツ新聞

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適材適所で勝つ〜箱根駅伝2022往路は青山学院大学・原晋監督の作戦勝ち

2022年の箱根駅伝は、目まぐるしく首位が入れ替わり、見てる方としてはすごく面白かった。結局、青山学院大学が往路優勝したのだが、山登りの5区に1年生を立てて好結果を出すなど、選手の起用で勝ったとの印象を持った。さすが原監督である。

花の2区という言葉があったりと、区間の持つ意味合いやらコースの特徴がある。そこに「ハマる」選手をいかに使うか。ライバル校の選手を想像しながら組み立てたりもするのだろう。学生陸上界には毎年精鋭が入り、箱根駅伝もどんどんレベルが上がる。学生連合は昨年の往路に比べて15分もタイムを縮めたという。学生が粒ぞろいになれば、余計に誰をどのように走らせるかが重要になってくる。


選手個人にしてみたら言われたところで結果を残すしかないのだが、やはり適性というものはあろう。下りが得意な人は山登りは意味がない(5区にもアップダウンはあるけれど)し、スピードランナーは平地を爆走したらよい。箱根駅伝クラスになれば勝つためにどの監督も計算に計算を重ねてやるだろう。それは一般社会でも同じはずなのに、勝つための布陣にしないところがあるから不思議。玉突き人事なんて言葉があるくらいだから、適材適所でないところは案外多いのかもしれない。


青山学院大学は全員28分台という整った選手層が売りのようだが、往路の優勝を見る限り、しっかり選手の特徴を活かしたのではないか。トップに立った3区は1年生だったが勝ち気な顔つきに見えた。初出場なら臆しても無理はなさそうだが、思い切って勝負したのが功を奏した。同じ1年生の5区山登りも攻めた走り。区間賞には届かなかったものの同じレベルでの好走だった。また、渡辺康幸氏が実は鍵を握ると解説した4区はキャプテンが盤石の走り。こうしてみると、青山学院大学は勝つべくして勝ったとすら思えてくる。面白いことを言ったり独創的なことを実行するので原監督を好まない人も一定いそうな気もするが、今回の選手起用を見てあらためて原監督の戦術に脱帽したし、勝つために選手の特徴を活かすことの重要性に気がついた。一般社会でもぜひそういう適材適所であってほしいと思う。


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