黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

契約更改時のパフォーマンスとマスコットの契約更改記事はもういらない~イチローも温かいセーターは要らなかった

プロ野球とクリスマス。何とか引っかけたいがそんなにうまくネタは転がっていない。ただし、1枚だけ手持ちの野球カードでサンタクロースの帽子をかぶった選手がいるのを思い出した。


松井秀喜。いわゆるクリスマス更改が定番だった。きょうの1枚は松井秀喜

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契約更改の現場に行ったことはないが、球団旗をバックにしてマイクの前に座るというだけではみんな変わらないから同じ画になってしまう。だからあの手この手でパフォーマンスを仕立てるのだろう。

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でもはっきり言って面白いと思うことはほとんどない。面白いと思っているのがもし現場の人間だけだったらただの自己満足じゃないの? それよりもその選手にしか語れない目標なり意気込みを聞いて書いてほしい。あ、画的に問題なのか。


イチローの会見を思い出す。1994年、210安打で年俸が800万円から8000万円に跳ね上がり、何を買うか聞かれた時だ。

「セーター」
「どんな?」
「あったかいやつ」


イチローの流儀 (新潮文庫)

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ネット上ではセーター発言に賛否両論ある。黒柴スポーツ新聞編集局長は何となく分かる。記者だから質問する側の人間だけど、この時のイチローの気持ちを想像してしまった。どんな物を買うかなんて、言わなきゃいけないのかよ。そう思ったに違いない。


だが質問の質は別として記者は聞くのが商売である。「どんな?」と聞くしかない。

「あったかいやつ」

答えたくないんだよ、オレは。そんな空気は読まねばなるまい。



確かにそんだけの年俸を手にしたらどんな物が買えるのか、買いたくなるものなのかと思うかもしれない。家とか? 車とか? 高級時計とか?


そりゃ夢があるね、となるかもしれない。


でももうそんな時代でもない。


「育ててくれた地元に野球場を造る資金にします」

「野球少年少女にバットやボールを寄付します」

クラウドファンディングに投じてたくさんの人を応援したい」


答える必要もないと思うが、もし答えてくれるのならそんな回答があってもよさそうだし、そっちの方が夢があると思う。


自己を変革する イチロー262のメッセージ

自己を変革する イチロー262のメッセージ


「億」稼ぎたいからみんなプロ野球選手になりたいわけではない。そのぐらい稼げる成績を収めることが大事なのだ。イチローは車が好きらしいから特定の車種を答えてもよかったかもしれない。だが別に高いものを買いたくて野球をしていたわけじゃないからこれを買いたいというものがなかった。ゆえに聞かれた時とっさに「セーター」と答えるしかなかった、というのが黒柴スポーツ新聞の分析だ。


その点、大谷翔平は優等生だな。WBCの公式球がほしいという。あえて大リーグのボールと言わないところもおくゆかしい。

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給料がバンバカ上がらない世相を反映しているのか、前ほど年俸交渉がもめなくなっている気がする。「越年」とか「調停」とかいう言葉が懐かしい。


野球人

野球人


ちゃぶ台返しをするようだがそもそもいちいち私の年俸はいくらですと言うシステムも面白いものだ。一応「金額は推定」とはしているが世間にわざわざ公表させられている。それに見合う働きをしないとバンバン叩かれる。年俸が跳ね上がると「何が買いたい?」と聞かれて言わされる。


有力選手であればあるほど、入団時には勝手にどのチームに入るか決められる。くじ引きさえされることがある。よくよく考えると変なことがいっぱいだ。


最近はマスコットキャラクターも契約更改を記事にされているがこれもだいぶ飽きてきた。最初はつば九郎の記事を面白がって読んでいたがあちこちやりだすと興ざめする。そろそろ終わってもよいと思うがいかがだろうか?


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