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黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るワンシーンやプレーヤーについて綴ります。

意義付けができ出演者も立てる桑田真澄は解説者の鑑

由伸巨人はしばらく続いてほしいが、いつかどこかで桑田真澄に監督をやってもらいたい。今は解説者だが一球の意味合いまで解説できる稀有な存在。そういう視野の広い人にこそチームを任せてほしいものだ。

6月29日は珍しく日テレ系列で地上波のナイター中継があった。解説は桑田と立浪和義。PLの先輩後輩だ。今や大阪桐蔭の陰に隠れてしまったどころか歴史が閉じようとしているPLだが、いろんな選手を輩出した学校だった。

桑田の指摘がさすがと思ったのは山口鉄也降板のシーン。イニング途中、しかもまずまずの抑え方だっただけに立浪も「(相手バッターが)右でも左でも抑えてきた投手なんですけどね」と意外そうな声。桑田はずばっと「これはもう山口君を左のワンポイントでしか使わないってことでしょうか」と切り込んだ。もしそうなのであれば山口のキャリアとしては大きな分岐点だ。

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いい解説者はこうした「意義付け」ができる。ここは送りバントでしょうか?と聞かれそうでしょうねと相づちをうつのもいいがやはり元選手としてこの作戦の意図はこうなんですよと言ってくれたら聞いている方もほうほうと勉強になる。中継ぎや抑えを過小評価するつもりはないが、左だろうが右だろうが抑えてきた山口が対左のワンポイント要員になるというのは降格的にも見える。山口の力の衰えをも意味しており、注目すべきシーンだった。



桑田はバッティング解説も手を抜かない。しかも打者出身の立浪を立てながら解説していた。具体的にはルーキー山本泰寛の送りバントのシーン。バントの構えの時、山本は右手の指がすべてピッチャーに見えるようにバットの芯の近くを握っていた。確かに黒柴スポーツ新聞編集局長も草野球やソフトボールレベルだが送りバントなら小指や薬指はバットに隠すようにしていたものだ。立浪もそうですよねと言っていたがこの指摘のきっかけは「立浪君に質問したいんですけどもバントの時はこう握るんですか」という桑田の一言だった。

桑田クラスだからいちいち立浪に聞くまでもない。PLの先輩でもある。だがベラベラ得意気に「バントの時はこうしたもんですよ」と言わずいったん視聴者目線に降りられるこの柔軟さ。指導者や監督になっても独裁者にはならなそうに思えた。


山本は外角の球にてこずっており、「この選手は外角の球の見極めが課題です。それができればいい選手になれます」と指摘した。こういう解説を聞いたらこれ以降の山本の打席をそういう目線で見ることができる。私はピッチャー出身なんで打つ方はよくわからんのですがというような解説より、よっぽど聞きたい解説だ。


ちなみにゲストとしてケンブリッジ飛鳥が来ていたが桑田はこちらにも「僕らはピンチの時は(球場内が)うるさくなるんですが陸上の場合はスタートの時はどうですか?」と質問。シーンと静まると聞くと「僕らは静かだとやりにくいよね」と立浪を巻き込んでの返し。気配りが出来すぎであった。


解説者としての桑田は魅力的だがやっぱりグラウンドでの姿が見たい。今からでも遅くないのでPLの監督の線はないのだろうか。プロの監督になったらなかなか高校野球の監督にはなれないだろうが逆のコースはありだと思う。桑田監督なら体罰や無意味なしごきもあるまい。PL復活にはうってつけの人材だが誰でも思い付きそうな案が実現しないのには何かしら理由があるのかもしれない。だが桑田がPLのユニフォームをまとう姿は想像しただけでも胸がときめいてしまう。PLでもプロ球団でもいい。早く桑田のユニフォーム姿が見たい。


きょうの1枚はもちろん桑田。カード裏の解説は稲尾和久が選ぶ現役ベスト10(1996年版)。ヘッドワークのよさでは球界随一と評されている。甲子園20勝なんて夢のような数字だ。けがさえなければ200勝いってたのではと誰もが思う投手。桑田ですら到達しなかったのだからやはり200勝というのはものすごい数字だ。

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