若手の成長が組織を強くする~ソフトバンク周東と美間初ホームラン、三森は猛打賞
「ソフトバンク関係者に、今どん底で点取れませんからと宣言してた人がいるんですけど。11点ですよ」。11点を取った段階で中継解説の兄やん松沼博久が感嘆しながら話していた。「それだけ、困った時に若手が爆発的に活躍してくれたってことですよね」。そう。一文字も付け加えることがない。初スタメンの周東佑京と三森大貴効果でソフトバンク打線が活性化した。4月21日の西武戦、ソフトバンクは16点を奪い大勝した。
わが黒柴スポーツ新聞は一つ謝罪を。三森大貴の1軍昇格にあたりとうとう上げるべき戦力がいないという趣旨から「どさくさ紛れの吉村裕基復帰待望論」なる記事を書いた。もちろんオランダリーグまで見据えて踏ん張る吉村へのエールなり吉村が本当に復帰したらドラマチックだよなという願望込みから書いたものだが、三森は十分戦力になってくれている。認識違いでごめんなさい。吉村は吉村でオランダで頑張ってもらいたい。
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その三森大貴は初のスタメン。セカンドで出場した。プロ初安打がタイムリー。次の打席は一度はピッチャーゴロでアウトになったがリプレー検証の結果覆りタイムリー内野安打に。俊足が生きた。きょうは初盗塁&初猛打賞で初のヒーローインタビュー。埼玉県越谷市出身なので故郷に錦を飾ってよかったね、おめでとう!
三森にヒーローインタビューを譲ったものの三森をしのぐ活躍を見せたのが周東佑京。主力の離脱でちょこちょこ試合には出ていたが三森と同じくきょうが初スタメン。周東はスクイズを決め、さらにはプロ初ホームランも。大技小技で4打点。もしも試合をヤフオクドームでやっていたら確実に三森とお立ち台だった。
中継で松沼博久が言っていた。チャンスで結果を出せるかどうかが大きいと。才能を持ちながら発揮できずに球界を去る選手はいっぱいいる。先輩たちは♪子どものころからエースで4番♪みたいな人たちばかりだから、その中に割って入るのは至難の技だ。だがチャンスをものにしないと生き残れない。今のソフトバンク打線はし烈な生存競争が繰り広げられている。
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もう三森大貴と周東佑京でお腹いっぱいなのに最終回には美間優槻がプロ初ホームランを叩き込んだ。守備でも一塁に回ったため、打力が付いたら内川聖一のサポートに回れそうな予感。青息吐息のソフトバンク打線だったが裏返せば一気に若返りが図れそうな状況になってきた。
密かに5打数無安打の上林誠知あたりはうかうかしてられない。実績と経験はまだまだ上林が上だが上林とて結果が出なければスタメン剥奪もあり得る状況だ。打率はついに2割を切った。チームメイトの猛アピールに冷や汗をかいているに違いない。だが上林とて2年前のCSで自分の不甲斐なさに涙したことがあるほど熱いものは持っている。奮起を期待したい。
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若手のアピールでレギュラーのハートに火が付く。組織の活性化としては理想的な流れだ。2日連続の完封負けを喫し3連敗になった時はヤバイなと思ったが不安を一掃する16安打16点の大勝。打線は水ものだから油断は禁物だが、日替わりヒーローが期待できそうな顔ぶれではある。
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若手につられるように松田宣浩、内川聖一、デスパイネのバットからも快音が出ている。甲斐はパンチ力を発揮してホームランとタイムリー。打つ方が落ち着いたら盗塁阻止率を上げてほしい。今宮健太は安定してヒットを量産中。チームが打ち過ぎて埋没したが中盤に栗山巧のヒット性のあたりを横っ飛びでショートゴロに封じたのはよかった。この試合の陰の功労者だ。
投げては高橋礼が無傷の4勝目。月間MVPもうかがえる好結果だ。降板前に押し出しとポークがあったのは反省材料。解説の松沼博久に「カッコいい」と言わしめたアンダースローも力強さを増してきている印象だ。松沼博久はアンダースローで2桁勝利6回で通算112勝。高橋礼にもぜひアンダースロー投手の美しさ、力強さを受け継いでもらいたい。
もうソフトバンクナインへの賛辞しか浮かばないくらいの勝ち方だった(中継ぎは次頑張りましょう)がまだ首位ではない。主力の穴を埋めるのも、厳しめに見たら「目処は立った」くらいか。勝って兜の緒を締めよ、だ。油断せず、若手の力を生かしながら戦力の底上げを続けてもらいたい。