黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

福浦和也2000安打の陰でロッテ44年シーズン1位なし

ロッテ一筋25年の福浦和也が2000安打目前である。断っておくが本稿は福浦個人を批判するものではない。福浦は十分カッコいい。批判したいのは球団である。そう、ロッテはシーズン1位をもう43年間逃し続けている(野球通たちには釈迦に説法だが2005年はシーズン2位からのリーグ制覇)。これは12球団ワースト。今年も西武がマジックを点灯させた。ロッテは果たして福浦の記録に浮かれていていいのか。

 

 ロッテは日本一になっているぞ、下剋上お家芸だぞというファンもいるだろう。本紙はクライマックスシリーズを否定しない。むしろ球界発展のために肯定的に見ている。それでもやはりシーズン1位には敬意を払うべきと考える。そして何十年も1位になれない球団経営をいかがなものかと思う。

 

 


福浦の大記録についてはメディアも一緒になって浮かれていて、低迷するロッテを今さら弾劾する記事も見当たらない。巨人など4年連続のV逸が球団ワーストタイだとデカデカと見出しになるのに。そこは腐っても巨人、ということなのか。

2000安打は打者の名誉だから黒柴スポーツ新聞でも数々取り上げてきた。2000安打達成の日の千葉日報だって読みたい。でもその前に言いたい。福浦の2000安打到達はロッテの選手層の薄さが追い風になっている。年齢のことは言いたくないが要は後輩たちが福浦を追い出せないでいる。


以前、荒木雅博が2000安打を達成する前に誰が到達しそうか調べて記事にした。2年4カ月前だ。その時の数字がこちら。

荒木雅博 1983本 残り17
阿部慎之助1949本 残り51  
福浦和也 1942本 残り58
内川聖一 1940本 残り60
鳥谷敬  1907本 残り93

そう、福浦以外はみな達成済みだ。福浦は安打数が以前ほどではなくなっていること、「それなりに」若手が成長していることから出場機会が減っていることから下手したら2000安打目前での引退も可能性としてはあった。

だが案の定、ロッテでは大切にされて何とか2000安打が達成されようとしている。もちろん福浦の努力の賜物だけれど、福浦に引導を渡せないチーム状況もどうかと思う。


ちなみにロッテの次にシーズン1位から遠ざかっているのはDeNA横浜ベイスターズ時代の1998年が最後だ。今年も優勝の可能性は消え20年連続が確定した。それでも1位を逃した期間はロッテの半分以下である。いかにロッテがぶっちぎりで結果を残していないかが分かる。

 

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広島とて1991年から25年ぶりのリーグ優勝を果たし、以後の3連覇が目前である。上昇気流のきっかけはクライマックスシリーズだった。ロッテがいきなりリーグ優勝するのは無理なのなら、まずはクライマックスシリーズの常連になることだ。DeNAがそうなりつつある(今年は混戦だしDeNAも苦戦中だが)。コアラのマーチのお面を配るのはファンを楽しませるサービスかもしれないが、1シーズンでも早くリーグ優勝をプレゼントするのが本当のファンサービスではなかろうか。


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