黒柴スポーツ新聞

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弱みを受け入れる~荒木雅博は2000安打時の通算本塁打が最少33本

片付けをしようと紙袋を漁ったら、熊本日日新聞が出てきた。知人にいただいたものだ。日付は2017年6月4日。前日に熊本県出身の荒木雅博が2000安打を達成しており、それを報じている新聞なのだった。

懐かしがりながらめくってみると、あるくだりに目が止まった。
「2千安打達成時に通算33本塁打は史上最少となる」
いわゆる一問一答記事の中だから、会見でそういう質問、問いかけがあったのだろう。これに対して荒木雅博はどう答えただろうか。

「33本しか打てない選手だったから徹底して小技もやってきたし、右打ちもしてきた。33本のおかげで2千本打てた」
ちょっと感動する。数に差はあれど1軍のプロ野球選手なら打つのは不可能でないホームランがなかなか出ない。それはコンプレックスになりかねなかった、いや、コンプレックスそのものだっただろう。荒木雅博がすごいのはそれを否定しなかったことだ。弱みを受け入れるのは、本当に弱い人間にはできないことだ。

望んでも飛ばす力が付かないならどうするか。荒木雅博は先ほどの答えのように小技を磨き通算犠打は284。これはプロ野球歴代11位だ(2019シーズン終了時)。右打ちも鍛えたことで安打数も伸びたことだろう。そうやってなくてはならない選手になった。だからこそ2000安打が打てたのだ。

なりたい自分を思い描くのは成長につながるから、悪いことではない。しかし自分に足りないものや弱点を認めることも成長につながるのだな、とこの一問一答記事を見て学んだ。そして新聞を読む意味はこういう体験にある、と思っている。

というわけでこのブログを書き始めたから片付けは一向に進んでいない。片付けが苦手という弱点を認めることから、整理整頓を始めよう……


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