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黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るワンシーンやプレーヤーについて綴ります。

1991年以来の広島優勝に不可欠な野村祐輔の進化

6月9日終了時点で広島の野村祐輔セ・リーグトップの7勝目。果たしてこのまま最多勝へと登りつめることができるだろうか。

新人時代に2けたを目前にしながら9勝止まり。潜在能力の高さを考えれば物足りない数字。もし野村が安定して2けた勝利していたら、広島はクライマックスシリーズの常連だっただろう。期待する分、ここ一番で勝てない広島と野村がダブって見えていた。


広陵のエースとして甲子園準優勝。明治大学では通算30勝。華やかな実績だ。だが2007年佐賀北との甲子園決勝の満塁ホームラン被弾のイメージがあるからか、どこか陰を感じてしまうのは気のせいだろうか。




よく決勝のことは聞かれるそうだが本人いわく「ただの1試合」。それ以上でもそれ以下でもないという。壮絶な被弾を払拭できたのか気になっていたのだが、数ある試合の一つに過ぎなければ払拭も何もあるまい。


お節介な第三者は言うだろう。「あの一球があったから今がある」。そんな生易しいものではないだろう。甲子園や全国制覇を目指してきたのだ。あんな事故のような出来事を肯定できるはずない。野村が耐えられてきたのは明治大学で30勝し、広島にドラフト1位で入ったから。野村自身の頑張りで過去を振り返れる立ち位置に来たからにほかならない。


残念ながらそうそう失敗を挽回できるチャンスはない。そしてよく五輪の借りは五輪で返すしかない、なんて言葉を聞くがそれは五輪を狙える人の言葉。チャンスが多い人の言葉なのだ。


人生はやり直しがきく的な発想があるから野村の被弾は繰り返しほじくられるように思える。本人はもう次のステップに進んでいるのに、気にもしていないのに、あれが分岐点になったんですよねと脚本に当てはめられる。野村はもううんざりするくらいそういう目で見られてきたのではないか。


じゃあ野村にはいっそのこと最多勝取って、あの一球があったから論を否定してほしい。自分はもうプロでバリバリやってますんでと。どうせなら1991年MVPの佐々岡真司のように17勝くらいがいい。野村は見るからに優しそうな顔だが楽天の則本昴大らみたいに吠えたりしないのだろうか。



吠えないエースがいてもいい。新聞に興味深い野村の言葉が載っていた。

「もちろん球速は武器ではある。ただ投手にはいろいろなタイプがある。人が一人一人違うように野球選手も違う」

社会人的にも噛み締めたい言葉。
野村は140キロ前後のボールで結果を出し続けている。自分のスタイルをぶれずに肯定できる姿勢は見習いたい。
江夏豊のように剛速球で相手をねじ伏せるのもスカッとするが、打たせて取るピッチングでの最多勝も味がある。広島の浮沈を握る野村のピッチングに注目したい。


きょうの一枚は野村祐輔が手元にないのでカープ野村謙二郎衣笠祥雄山本浩二に次いで生え抜き3人目の2000安打達成者だ。盗塁王3回、最多安打2回。野村祐輔にもたくさんタイトルを取ってもらいたい。


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