黒柴スポーツ新聞

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「おまいう」にならないために〜ソフトバンク今宮選手会長は覇権奪回のキーマン

今宮健太が新選手会長を務めることになった。東スポWeb記事、ソフトバンク・ 今宮 「自分のことで精いっぱい」なのに… 選手会長を引き受けたワケ には、「選手会長という肩書が付くことで行動を促されると思うんです」と、今宮が選手会長就任を受諾した理由が書かれていた。これはいい決断だと思った。なぜなら2022年のホークスのキーマンだからだ。

今宮健太は2021年12月、現状維持の年俸2.9億円でサインした。4年契約ので3年目であるし、大きく下がりはしないのだが、正直なところその年俸に値するのかと思ってしまった。あとから分かったが今宮は4年連続で規定打席に達していない。そう、打つ方でその年俸に見合うのか?という意味だ。今宮の守備の素晴らしさはプロ野球ファンなら誰でも知っている。

決して大きくはない体で目一杯のプレーをした代償だろう。今宮は1年間フルでショートを守れなかった。脚の状態が万全ではない。休ませながら使わざるを得ないのだ。そうした不安と低迷する打率。125試合で打率は.214。ホークスのショートとして許される数字ではない。打線が迫力を欠いた原因の一つが今宮であり、ホークス4位の背景と言ってもいいだろう。つまり今宮が活躍するかが覇権奪回の鍵を握るからキーマンと書いたわけだ。

で、今宮には何かきっかけがないとなと思っていたところ新選手会長就任を知ったので、これはいいなと思った次第。東スポWeb記事に書いてあるが、結果を出さないと選手会長としての発言に説得力がない。最近知った言葉で恐縮だが「おまいう」というネットスラングがあるそうだ。そう、おまえが言うな的なニュアンス。選手会長は球団と選手の橋渡し役だが、成績を伴わないと発言に重みがなくなってしまう。

選手会長になっていなくとも2022年は今宮にとって正念場だ。ドラフトでホークスはNTT西日本から野村勇を指名。野村は「ショートで勝負したい」と表明している。新人は抱負を問われるとは言え、これは今宮への挑戦状だ。今宮はどう受け止めたか。野村は野村で社会人出身だから結果を求めてくるはずだ。今宮とてうかうかできない。新外国人のガルビスも野村同様、内野の複数ポジションOK。となると今宮がショートにいるかどうかで内野の顔ぶれが決まる。やっぱり今宮はキーマンなのだ。

役が人をつくるという言葉もある。今宮の選手会長就任へ背中を押したのは中村晃。「選手会長をやることはプラス。思うような結果が出ていない時だからこそ、いいきっかけになるんじゃないかなと思うんです。そう思って薦めました」(東スポWeb記事より)。今宮がその思いに応えた時、きっとホークスはいい位置にいる。


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