黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

ニューイヤー駅伝、富士通を追い込んだのは誰だ?

Web用に見出しを付ける仕事をしていると、ついバズりたいなという欲望が頭をもたげる。ただでさえわんさか見に来てもらえるサイトではない。どうにかこうにかというのが実際のところである。そこは腕の見せ所だろうと前向きにとらえているのだが。だから想像してみた。もし仕事だったら、ニューイヤー駅伝富士通に何と見出しを付けただろうか?と。

 

もはや富士通イコール優勝旗紛失がセットになるくらい世間に浸透してしまった。正直に言えば最初にこの不祥事を知った時、こんなことあるのか?と興味を持ってしまった。おいおい!とツッコミも入れた。富士通としては謝るしかないし、実際そうした。それで終わればいいじゃないかと思う。選手がじゃれあって破いたとかそういう話ではないだろう。管理がずさんと言われればそれまでだが、これを機に本物の授与から見直したらという意見があるのも納得できる。個人的にはレプリカで返還なしでよいかなと。強豪チームならレプリカをさらに作るのではなく、何年度うんぬんと書いたヒラヒラを付け足して豪華にしていけばよし。富士通は出場辞退ものだと騒ぐ人は、物をなくしたことはないのだろうか?


富士通は12位だった。連覇を狙いながら優勝争いとは遠い戦いになってしまった。果たして優勝旗紛失がどのくらい響いたのか。皆無ではないだろう。だとしたら非常に残念だ。一年かけて積み上げてきたものを一瞬で破壊する批判とは恐ろしい。かくいう自分も記事を書いた後に言われたことがある。社会的制裁は受けたからな、と。おまえの記事でな、そういうニュアンス。こちらは事実を伝えただけだが、そうとらえる人がいるのだなと実感した。今回富士通の記事を書いた記者もそうかもしれない。それでもレース後の見出しは「優勝旗紛失の富士通」ではなく、せめて「連覇狙った富士通」にしてほしかった。やはり見られる見出しとしては「優勝旗紛失」なんだろうが…。そして唖然としたのはまだ優勝旗関連の質問があったこと。却下されたそうだが、そこは本線なのだろうか? 確かに今後どうするか聞くのは構わないが、もっとレースそのものの方が大事だと思うし、現場にいるからこそ書ける記事を読みたいものだ。今年、自分も見出しをいくつも作るだろうし、記事も書くだろうけれど、対象へのリスペクトや節度はしっかり守ろうとあらためて考えた。


福岡ソフトバンクホークスランキング