黒柴スポーツ新聞

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開幕投手の自覚で勝った石川柊太〜ソフトバンク、逆転優勝へ後半戦好スタート

ソフトバンクが後半戦初戦、投打がかみ合い順調なスタートを切った。特に石川柊太の好投に注目したい。「今年、初めて開幕投手を務めさせてもらった。その気持ちというか意気込んで投げました」(日刊スポーツ記事、ソフトバンク石川柊太11K好投で後半戦“開幕”白星で飾る 逆転Vへ勢い より)。そう、好投の裏側にはこの意気込みがあったのだ。

何と石川の勝利は5月28日の巨人戦以来。2カ月以上前だ。石川が勝ったからあえて書くのだが、ソフトバンクがここまで苦戦している一因は石川の不調にある。開幕投手が前半戦で3勝では話にならない。石川が援護に恵まれなかったのは事実。だけれども、特に千賀をけがで欠いてからは石川がエースとして投げねばならなかった。エースとは勝つピッチャーである以上に負けないピッチャーであらねばならない。石川は前半戦3勝8敗だったわけだから負け過ぎである。問いたかった。エースとは言わないまでも、開幕投手の自覚はあるのかと。

それはあったようだ。冒頭のコメントからうかがえた。五輪期間中は調整に専念できたことだろうが、侍ジャパンが金メダルを取ったのだから嫌でも意識するはずだ。甲斐、柳田、栗原そして千賀は輝いている。自分はどうか。輝けていない。だから是が非でも後半戦初戦は完璧な投球をしなければ…。石川はかなり気持ちを入れて投げたと思う。

8回1アウトまで投げて11奪三振。完投ペースだったが、前半戦は四球からの一発という場面もあった。スパッと交代したのはベンチワークとしても正解だった。逆転優勝を狙うソフトバンクとしてはとにかく石川で貯金しないといけない。だからこれからも石川にはリードした状態でリリーフにつなぐことを求める。モイネロが離脱したのは誤算だが、板東、岩嵜が初戦くらい投げられたら勝てるはずだ。コリン・レイの退団でますます石川の負担は増すが、千賀もオリンピックで投げられたし後半戦は投げられそうだ。前半戦思うように投げられなかった石川と千賀が勝ち星を重ねること。これが逆転優勝への条件だ。


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