黒柴スポーツ新聞

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王貞治はなぜ868本もホームランを打てたのか~「同じ球を打ったことは一度もない」

王貞治(敬意を込めてそう呼ぶ)がなぜ868本もホームランを打てたのか、分かった気がする。素晴らしい技術や集中力、体力があったからでもあろうが、「同じ球を打ったことは一度もない」という感覚があったからではなかろうか。この言葉は6月4日付の日経新聞コラム「逆風順風」(篠山正幸氏)で紹介された。やはり王貞治は偉大である。

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球種により球筋はざっくり分けられても、シチュエーションは一球一球異なり、自分のコンディションも変わる。同じ球を打つことはないとはそういうことを意味する。

甘い球は確実にスタンドインさせた王貞治。「しかし、そこまでプレーの再現性を高めた人にしてなお、最後はのるかそるかの勝負に身を委ねていた」と篠山氏は書いた。私は、のるかそるかというよりは、王貞治は決して手を抜かなかったのではないかと思う。つまりこの投手のこの球種ならこうだろとか、このシチュエーションならこうくるだろとか、そういう先入観を極力排して勝負し続けたからこそ、868本という途方もない数のホームランを打てたのではなかろうか。

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社会人で10年もやれば、だいたい何をどうすればよいか見当はつく。ただし慣れは成長を鈍化させる。たかをくくるというか、どうせこのくらいだろうと見積もればそのくらいしかリターンはない。ローリスクローリターン。いや、経験値としては一ミリも増えないかもしれない。まことに恐ろしい限りである。王貞治とて気の遠くなるくらい打席に立ったから、おおよそこうやれば打てるという感覚はあったはずだ。だが最初からナアナアでバットを振るのと、どうくるか分からないから手を抜かずバットを振るのとでは、やはり結果は違うように思う。どうせこのコースにこの球種だろ。そう読んで毎日作業していないか。ちょっと胸が痛くなった。

そして奇跡のような、黒柴スポーツ新聞記念すべき868本目の記事というオチ(投稿作業中に発覚)。いつも遊びにきてくださる読者の皆さま、本当にありがとうございます。皆さんのおかげでここまで来られました。これからも精進しますので、応援よろしくお願いいたします!


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