黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

選ばれるために必要な発掘力~後藤正治さんが説くルポの可能性

スポーツ雑誌Numberが創刊40年という。学生時代、たまにしか買えなかったがはずれがない(かなり吟味して買う号を選んだ面もある)、そんな印象だ。先日のサンデースポーツでNumber40年の歩みを振り返っていた。ゲストに私の大好きな後藤正治さんが出ていた。「結果だけなら情報がすぐ得られる。その状況で雑誌のルポルタージュの役割は?」と大越キャスターは質問した。後藤正治さんは「発掘力」という言葉を提示した。

 

「結果だけでなく、なぜそういう結果が生まれたのかという、なぜなんだ?と疑問、問題意識を持つ読者は結構多いと思う。その層に応えていくものが雑誌かなと」
「いわば一つの物語を提示する、新しい解釈、解析を提示するというか。そういう発掘力が求められているのかなと思う」

Numberの部数はピーク時、47万部だったそうだがいまは12万部(これでもすごいと思うが)。わが新聞業界も雑誌の心配をしている場合ではなく、ものすごいスピードで部数を減らしている。無料で読める媒体が増えたのもあるが、有料でも読みたくなるコンテンツを提示できていない側面はあると素直に思う。速報ではネットにかなわない。とかくネットの情報は玉石混淆とかいうけれど、いやいや、ネットの情報だってクオリティーの高いものはいっぱいあるし、紙媒体でも努力不足が露呈している作品はある。選ばれる作品にならねば淘汰されるに決まっている。みんな「忙しい」のだから。このブログは商業的ではなく、スポーツ好き、特に野球ファンに最高の暇つぶしをしていただきたいと、そんな思いで書いてきた。筆者の自己満足に毎回お付き合いいただき恐縮なのだが、後藤正治さんの言われた「なぜ」に応える「発掘力」は意識して取り組みたいなとあらためて考えている。


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