黒柴スポーツ新聞

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打つ方向を決めておく~ソフトバンク内川が阪神高山にアドバイス

バッターは打つ球種や打ち返す方向を決めているものなのだろうか。ピッチャーの手を離れてホームベースに到達するまでは一瞬。瞬時に意思決定できればいいのだが、筋肉に指令が伝わるまでの時間もあるし、ある程度の心構えは必要だと思う……なんて考えたのは、内川聖一阪神高山俊にこんなアドバイスを送ったという記事(サンスポ)を見たからだ。「最初から打つ方向を決めてると、それをやることに一生懸命になるんで、余分な意識が入らない」。内川聖一はある程度打つ方向を念頭に入れているようだ。

高山いわく、「(内川さんは)甘い簡単なボールを簡単に打つじゃないですか。(自分)来た! と思ってカッーってなっちゃう(力が入っちゃう)とこもある」。すごく分かる。ほとんどの人が高山のように「来た」、いや「キタ━(゚∀゚)━!」くらいに思ってしまうのではないか。私もそう。草野球でも仕事の上でも、願っていた状況になったら喜び勇んでとりあえず目一杯バットを振る。だから当たれば飛ぶのだが、打つ方向は決めてない。結局運任せというか出たとこ勝負だったのだ。もうちょっとゴールを明確に描かないといけない。

内川聖一の思考はシンプルだ。目標を決めておけば、とりあえずそれに向かって一生懸命やるのだから余計な意識は入り込まない。なるほど。今回は最低でも進塁打にすべく右打ちだ、とか、思いきってレフトへ引っ張ろうとか決めておく。まあ、内川聖一には2171安打を放った技術があるから結果が出せるとも言えるが、無駄な力や意識を入れないようにするための、一つのアドバイスにはなるなと思いながら記事を読んだ。

内川聖一がすごいと思うのはまだ打撃フォームをすり足打法に変えようとしたりバットを改良したりしている点だ。貪欲とも言えるが、実際は2019年に不振に陥ったゆえの危機感がある。ましてやバレンティンが加入したらソフトバンクの守備位置はシャッフル必至。内川聖一のスタメンとて安泰ではない。玉突きで中村晃が一塁に来る可能性もあるのだ。

試合に出るためでもあるが、まずは結果を出す、あるいは納得のいく打撃をするためのフォーム改造あるいはバット改良のように見受けられる。内川自身は「今年は右脚に体重を乗せようと思いすぎて、ためてからの始動が遅れたり、逆に早かったりとずれることがあった」(西スポ記事)と話しているが、私は今までならもっと打球のスピードがあって外野に抜けていたものが捕球されたり、打つタイミングがコンマ何秒遅れて芯でとらえきれなかった、つまり内川の眼や感覚の衰えを疑っている。ベテラン=衰えるという固定観念があるかもしれないが、そうとでも思わないと、あの内川聖一があんなにゲッツーを食らうのは消化できない。内川は内川なりに分析し、タイミングやバットコントロールを改善しようとしている。

tf-zan96baian-m-stones14.hatenablog.com

 

最高の技術を持つ内川聖一ですらあんなに苦労するのだ。だとしたら狙った球を出たとこ勝負で打つような私が、仕事でいい結果を得られるはずがない。内川が言うようにまずは打つ方向くらいは決めておいて、しっかりとらえることに集中してみよう。まだまだ未熟だから狙い通りの球が来たら「キタ━(゚∀゚)━!」と小躍りしそうだが、そこはぐっとこらえて。まずはやるべきことに集中しよう。

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