黒柴スポーツ新聞

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バットは鋭さを増している~ソフトバンク長谷川勇也の闘志いまだ衰えず

「年をとって、体にガタは来ているが、バットはさびるどころか、鋭さを増してきている」(スポーツ報知記事より)。長谷川勇也の自己分析には恐れ入る。自己肯定感の薄い私にはうらやましい限りだ。長谷川は年俸が2億円だったが1億になり、今回は2000万円ダウンで8000万円となった。普通なら弱気になりそうだがあくまでも強気だ。

2019年の出場試合は25試合にとどまり、フル出場よりはここ一番の代打というのが長谷川の役割だ。かつて198安打を放ち首位打者になった男の立ち位置はすっかり変わった。それでもポストシーズンでは相変わらずの勝負強さを発揮。個人的には10月13日のCSファイナル第4戦、だめ押しのタイムリーがお気に入り。西武相手なら何点とっておいてもいいのだが、この1点は西武にダメージを与えた。今宮健太の3ホームランにかすんでしまいがちだが、まさに仕事人の活躍だった。

 

真骨頂は10月9日のCSファイナル第1戦、1点ビハインドの8回、二死1、3塁でバッター長谷川。台頭著しい西武の平良の球威に差し込まれながらもしぶとくレフト前へ。この執念の同点打がなければ対西武4タテはなかったわけで、長谷川の貢献は決して低くはない。

そんな長谷川だがシーズン中、登録抹消でいったんは心が折れたという。しかしfull-count記事には「自分のバッティングがそうさせてくれなかった」「技術に守られたと実感した」と書いてあった。そう、長谷川の心のバットはまだまだ折れてはいなかったし、技術の確かさが長谷川の支えになった。そこまで自分を支える技術ってすごい。バットを振り込んだ賜物だ。思えば長谷川は2019年キャンプで20000スイングを目標に掲げた。日刊スポーツ記事によると、金星根コーチがトスを上げ、「1000スイングでミスショットは1球か2球」と言わしめた。恐るべき集中力。いくつもの殊勲打はすさまじい努力がもたらしたものだったのだ。

 

長谷川とて何の手応えもなく強気の発言をするわけがない。バットは錆び付いていない。それどころか鋭さは増している。なかなか文学的な表現だ。重量打線になかなか割って入る隙間はないが、そこに割って入ろうとする限り長谷川のバットは錆び付かない。切れ味鋭いバッティングで、2020年もパ・リーグの投手を一刀両断してほしい。

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