黒柴スポーツ新聞

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伝統が大事か、変革が大事か~高校野球古豪・県岐阜商がユニホーム大胆チェンジ

甲子園を目指し、高校野球都道府県大会が進められている。ふと県立岐阜商業の画像を見てびっくり。古風な紺主体のユニホームから、やまぶき色やブルーのカラフルなものに変わっていた。秀岳館みたい……そう、今の県岐阜商監督は秀岳館を率いていた鍛治舎巧監督なのだ。青系と黄色系という反対の色を取り入れると体が大きく見えるという効果も狙っているそうだ。

 

いつものくせで、最初はこの変化に違和感を感じてしまった。特に県岐阜商は公立校最多勝利を誇る伝統校。あまりに変えるのは歴史を軽んじているのではないか、と思ってしまったのだ。しかし県岐阜商は2012年を最後に夏の甲子園から遠ざかっているという。つまり変革が必要な時期。ユニホームの配色を変えるのもその一環というわけだ。

 

でも秀岳館チックだしそもそもベースになっているのは鍛治舎監督がいた松下電器らしく、率いていた枚方ボーイズもこれだったと記事に書いてあった。それでなんだかなあ、と思ったが実はやまぶき色やブルーは校旗に使われている色だそうだ。これならば伝統のユニホームに愛着があるOBたちも何とか折り合いをつけられたのではないかと想像する。

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何よりOBたちだって伝統にとらわれるよりは低迷を脱してほしいことだろう。ただただ勝てばいいというものでもなかろうが、やはり母校の選手にははつらつとプレーしてほしいに決まっている。それにユニホームは勝ち星が印象をつくるものだ。新ユニホームで勝てば強そうに見えるし、負け続けたら失敗だったと思われるだけだ。

 

その県岐阜商は7月14日の岐阜大会2回戦で新ユニホームを泥だらけにしながらの逆転勝ち。ユニホームの配色がどうなろうと必死のパッチでやることは変わらない。伝統を守ることを隠れ蓑に、変わることを恐れて何もしないのは最悪だ。新しい発想、新しい感覚を生かしてチャレンジしていくことが結果的に伝統を守ることにつながる。県岐阜商ナインには新ユニホームで新たな歴史をつくっていってもらいたい。


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