黒柴スポーツ新聞

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どさくさ紛れの吉村裕基復帰待望論~ソフトバンクに求められる人材のフル活用

「一度決めたことだから」。組織の頑固あるあるである。もちろん朝令暮改は下っぱほど影響大だが、柔軟性がないのも考えものだ。その点、新興企業のソフトバンク(といってもそこそこの歴史にはなってきているが)がオーナー企業であるホークスはまだまだましだと思う。であればこの仰天プランもなくはないかもしれない。吉村裕基の復帰だ。

 

というのもsmartnewsを見ていたら日刊スポーツに「元ソフトバンク吉村裕基がオランダ リーグでプレーへ」という記事を見つけたからだ。まだまだ現役続行をあきらめず奮闘中なんだなと知った。

 

いまソフトバンクは外野手を中心に離脱が相次いでいる。中村晃は体調不良、柳田悠岐とグラシアルと福田秀平は故障。上林誠知は死球を食らったが幸い打撲で済んだが無理はできまい。昇格即スタメンの長谷川勇也はまた足を傷めてしまった。

 

吉村は一塁を守っていた印象だが外野もできないことはないだろう。守備を考えれば吉村の前に城所龍磨の顔さえ浮かんだがさすがにこれは突飛すぎるか。引退した城所は無理でも吉村はまだ「現役」だから戻ってきてもらうことはできないか……と考えた次第。

 

もちろん今頑張っている戦力に何とかしてもらうのが一番。だがもう下から昇格させる人材が枯渇状態なのも事実だ。吉村復帰なんて馬鹿げていると言われるのは百も承知なのだが、ドラマ好きな性分もあって書いてみた。単純にもう一度吉村のユニホーム姿が見たいという願望も込めながら……

 

かつてソフトバンクにはリストラの星と呼ばれた選手がいた。宮地克彦元コーチだ。西武を選手外になり、トライアウトも参加。台湾行きまで考えた末にソフトバンクが獲得した。いぶし銀の活躍で16年目で初の規定打席到達はまさにリストラの星という表現がぴったりだった。

 

宮地克彦と吉村が違うのは、ソフトバンク自身が戦力外通告を突きつけたことだ。いったん決めたことを覆すのは組織的にすんなりいかないかもしれない。だが状況は当時と違い深刻だ。ここは一度戦力外にした山本和範を再び召し抱えた近鉄ばりの柔軟な発想ができないものか。

 

マイストーリー・マイウェイ―べった野球人生 カズ山本自伝

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まあ無理だろうなと思いながら書き始めたのだが書いているうちにそうでもないかな、なんて気にもなってきたがいかがだろうか。もちろん一度戦力外を突きつけられた吉村の気持ちも大事だしコンディションも見極めねばならないし、通告したソフトバンクなりの考えもあろう。

 

だが大事なのは今このピンチをいかに乗りきるかだ。他チームが走り始める前に緊急トレード含め取れる対応はすべて取ってもらいたい。昨年クライマックスシリーズでブレイクした西田(楽天から移籍)の例もある。チーム内外の人材をフル活用して、この大ピンチを乗りきってもらいたい。


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