覆水盆に返らず。だからこそ~一球の大切さを学んだ石岡一ナインとエース岩本
取り返しのつかないことをしてしまうことは、ある。昨日、投稿寸前まで見出しにウンウンうなっているうちに日付が変わってしまった。あわてて投稿したものの、日付の上では年頭からの毎日更新がストップ。投稿時間を細工しかけたが、やめた。いつかそういうところからほころびが生まれる。
だが人生捨てたものではない。これをヒントにブログのネタが見つかったのだから。
投稿した堂上直倫の記事をちょこちょこ更新しながら見ていたニュースでセンバツの盛岡大付対石岡一の結果を見ていたのだが、石岡一はエース岩本大地が本塁に悪送球して試合に敗れたのだった。
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延長戦まで力投していただけに、悔やんでも悔やみきれまい。私が毎日更新がストップして投稿の日付を1分巻き戻したくなったように、岩本も時計の針を強引につかんででも、送球前に戻りたくなったのではなかろうか。
さらに言えば岩本は9回2死二、三塁、あとストライク一つで勝てたところから同点打を浴びた。これまた時計の針を戻したいと思うところだ。一試合に2回も味わった一球の怖さ。これを糧にしなければもったいなさすぎる。
とはいえ、人生にそんなにコロコロ、チャンスは転がっていない。石岡一は甲子園で勝つチャンスを逃したのだ。甲子園での経験は格別。一人でも、1回でも多く打席に立ちたかった。
逆に盛岡大付は命拾い。また試合ができる。出場校はこうやって甲子園常連校になり、強豪校になっていくのだろう。
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一球、ワンプレーの重さと言えば同じく9回2死から3アウト目を取り逃がした大阪桐蔭を思い出す。一球の怖さをよく知る強豪校になお試練を与えるとは、野球の神様は意地悪だ。だが、大阪桐蔭はスケールアップして戻ってきた。これがまた強豪校のすごさだ。
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まだ夏がある、というのは負けたばかりのチームにかける言葉ではない。しかし、つらい記憶は歓喜で上書きするほかないのも事実。甲子園という大舞台で一球の大切さが学べた、という得難い経験は石岡一ナインの財産。経験を生かすも殺すも自分次第だ。
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不本意なことがあった時こそ、その後どう過ごすのかでその人の真価が問われる気がする。かくいう私は失敗を引きずり後悔を後生大事に抱え込む悪い癖があるのだが、最近はだいぶ割り切って考えられるようになった。覆水盆に返らず、だからだ。
意味を確かめようと覆水盆に返らずを検索してみて発見があった。見つけた故事はざっくり言えば、呂尚という男がいたが、読書に熱をあげて生活を顧みず、妻の馬氏が愛想をつかして離縁に至った。その後、呂尚が太公望になると馬氏は復縁を申し出た。その時呂尚は水をこぼして「椀に戻せたら復縁しよう」と言ったという。一度離縁した夫妻は元に戻らない、一度してしまったことは取り返しがつかない、という意味だという。
本ばっかり読んでいたのがそもそもわるいと思うのだが、復縁を申し出た妻も妻。さらに水をこぼしてすくってみなとは半沢直樹ばりのセリフである。ここで私が感動したのは妻の馬氏。あるサイトの説明では馬氏は水をすくおうとしたが泥しかすくえなかったと書いてあった。
すくったんかい!
いや、このガッツが大事だなと。ビジュアル的にも水が土に染み込むのを見たら無理だろう。でもやる。まさに執念。このガッツを見たら呂尚も考え直してやってもよさそうだが、まあ無理か。私は粘ってしまう人も大好き。覆水盆に返らずならばなかったことにしてしまう方法もアリ、なのかもしれない。
私は器用に、ミスをなかったことにはできないタチ。ゆえにまずは覆水盆に返らずにならないよう、日々の一球一球を大切にしようと思う。石岡一ナインにはぜひ貴重な経験を糧に成長してもらいたい。