黒柴スポーツ新聞

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熊本西は公立校らしさを発揮できるのか~34年前の甲子園初出場を熊本日日新聞がnoteに特集

センバツが開幕した。早くも履正社と横浜が敗れ、星稜は好発進。何だ、また私立ばかりかと思いきや、市和歌山は呉との公立校対決を制したし、熊本西も控えている。昨年夏の金足農業みたいに旋風を巻き起こしてもらいたいものだ。



その熊本西の甲子園初登場当時を扱った記事がある。熊本西の地元で発行している熊本日日新聞がnoteで展開した「センバツ21世紀枠の熊本西高 34年前の夏、ミラクル快進撃で甲子園へ  進学校球児に希望与えた『伸び伸び野球』」だ。
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熊本日日新聞のこの企画はこれまでに、川上哲治秋山幸二&伊東勤、野田幸司、前田智徳と名だたるプロ野球選手が登場してきた。今回は純然たる高校野球。なので、一つことわっておきたい。ズバリ高校野球ファン向けである。
tf-zan96baian-m-stones14.hatenablog.com


これまでの企画は有料、200円で販売されているが熊日は今回何と強気の300円設定。それだけ内容に自信があるということだな……だが、正直に書こう。私は購入するにあたり100円の壁を感じた。それは何なのか、自己分析してみた。


ズバリ、熊本西のことが分からなすぎる(笑)。そりゃそうだ。私は熊本県民ではないのだから。これまでも秋山&伊東や前田智徳の記事は読んだが彼らは全国区である。だから人物をイメージできたのだが、熊本西はまさに無名集団。それこそが実はこの記事の面白さなのだが、記事を購入する前はそれが分からない。よって私は100円の壁を感じたというわけだ。


ズバリこの記事は公立校フリーク、さらには下克上好きや柔よく剛を制す的な発想の持ち主が読むと楽しめる。ひょっとしたらスポーツではなくビジネスに役立つかもしれない。熊本西は大胆な練習法や姿勢であれよあれよという間に熊本大会を勝ち上がってしまったのだから。


そのあたりは記事に出てくる当時の紙面でじっくり堪能していただきたい。このnoteでの企画は熊日の過去の紙面が効果的に使われている。見出しを見るだけで、いかに熊本西が劇的に勝ち上がっていったのか、雰囲気がつかめるはずだ。



ネタバレになってしまうので詳しくは書けないのだが、やはり結果を出すにはその人の持ち味を伸ばすことが大事だなと再認識する。これまでは短所を補うことに重きを置く人が多かったように思うが、34年前の熊本西はすでに長所を伸ばすことを実行していた。新興校だからこそできたのかもしれない。前例にとらわれずに済むからだ。

ちなみに今回、熊本西は21世紀枠で選出された。センバツには高校野球の発展に寄与する役割もあるだろうから、公立校が脆弱な施設やら短い練習時間を有効活用して取り組む「姿勢」も加味して選ばれるのは理解する。ただし、21世紀枠の学校が評価されるのは強豪を倒してこそ、だ。善戦してこそ、だ。そうでなければお客さんになってしまう。


熊本西については、練習試合中の頭部死球で部員が亡くなる悲劇があった。また、選手は熊本地震を経験している。全員が地元中学出身で、さらに言えば軟式経験者。応援する要素がいろいろある。それがどこの学校にぶち当たるのかといえば……智弁和歌山。野球の神様は本当に演出好きである。
(智弁和歌山との対比について、智弁和歌山も寮無し&地元の子が頑張っています&軟式出身者が頑張っている旨のご指摘をいただきました。ありがとうございました。以上を踏まえ、熊本西は智弁和歌山という強豪校と激突する、と解釈願います!)

果たして熊本西ナインは前回甲子園に出た先輩のように伸び伸び野球を実践できるのか。もしそれがかなえば金星もあるかもしれない。先輩たちは甲子園で1勝している。熊本西は大会第6日第1試合(28日午前9時開始予定)に登場する。公立校フリークはぜひ熊本日日新聞のnote記事をお供に熊本西を応援してほしい。私もかつての熊本西ナインを見習って、工夫しながら強敵に勝つ方法を模索していきます! いいヒント、いただきました。

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