黒柴スポーツ新聞

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こんな夜更けに嘉弥真かよ、と言わせたい防御率0.88の男

楽天岸孝之最優秀防御率のタイトルを取れそうだということで、登録を抹消された(岸の防御率は2.72。以下、数字は9月24日現在)。残り試合には登板しないという。そんな記事を読んで、がっかりした。


岸が自ら望んだのではなく、タイトルを取れるものなら取らせてやりたいという楽天首脳陣の親心なのだろう。筆者は岸が嫌いではない。むしろ、イケメンだし、ストレートも投球フォームも美しいとさえ思っている。だからこそこういうタイトルのつかみ方はどうなんだろうなと思ってしまった。


ゆえに、思う。
61登板で防御率0.88の嘉弥真新也にタイトルをあげたい……

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分かっている。防御率はあくまでも長いイニングを投げた上で競うものだということを。嘉弥真は30.2回。岸は159回。岸は5倍以上投げている。だが、あえて言いたい。嘉弥真はいつもギリギリの局面で投げている。


ある意味岸は自分で試合をコントロールできる。試合そのものを支配すれば勝ち星を手にすることができる。だが嘉弥真は違う。だいたいが大変な時に呼ばれる。何とかして、と。そして打たれることもあるのだが何だかんだで抑え続けている。実に31試合連続無失点。2011年にファルケンボーグが樹立した記録に並んだ。

 

 

天王山で西武にまさかの3連敗を喫し、柳田悠岐は側頭部にボールが当たるわ、今宮健太は脚を傷めるわで、まさに泣きっ面に蜂。おまけに空気を読まない西武が天王山3連勝を含む10連勝でソフトバンクは相変わらず崖っぷちなのだが、ソフトバンクも辛勝続きながら7連勝。そこには嘉弥真、モイネロ、石川柊太、森唯斗ら救援陣の踏ん張りがあると声を大にして言いたい。

 

 
森唯斗はサファテ兄貴に続いて最多セーブが取れるかもしれない。これまた増井と争っているのだが、森も嘉弥真も優勝争いの中でのこの成績だから、数字以上に価値がある。やはりタイトルは優勝争いなりチームの成績があってこその産物というのが王道ではなかろうか。嘉弥真は岸の5分の1しか投げていないが、岸に負けないくらい輝いている。

 



プレーオフでも嘉弥真が重宝がられる展開になればソフトバンクに勝機はある。西武の獅子おどし打線は重量級だが柔よく剛を制すという言葉もある。最後の直接対決やクライマックスシリーズではぜひとも防御率0点台の力を誇示してほしい。

 

ちなみに今回の記事タイトルは「こんな夜更けにバナナかよ」に引っ掛けましたが分かっていただけたかどうか……

 


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