奪三振率そろそろイニングあたりに変えないか?~藤川球児が日本最速1000奪三振で野茂英雄超え
2017年5月30日、藤川球児が日本最速の1000奪三振を記録した。771回と3分の2での到達。あの野茂英雄の871回より100イニングも速い。いかに藤川球児が飛び抜けているかが分かる。
だが一点、腑に落ちない。奪三振率の計算方法だ。ネットでサクッと検索しただけだが以下の算式らしい。
こういうものは簡単に直せないとは分かっている。だがこの「×9」というのは何とかならないものか。「×9」で分かるように、そもそも奪三振率とは「1試合あたりで何個三振がとれるか」という率なのだ。
確かに野茂英雄なら先発して完投というのがしっくりくる世代。藤川球児は先発した時期もあるが抑えとして一時代を築いた選手だ。だから9回を投げていくつ三振を奪えたかと言われてもイメージがわきにくい。
1 金田正一4490
2 米田哲也3388
3 小山正明3159
4 鈴木啓示3061
5 江夏豊 2987
6 梶本隆夫2945
7 工藤公康2859
8 稲尾和久2574
9 三浦大輔2481
10 村田兆治2363
この猛者たちは確かに先発完投型である。だから「×9」したくなるのは分かる。1000奪三振到達のスピードと通算奪三振数は次元が違う話と承知はしているがまあたくさんとれる人はそれなりの速さなのだろう。このレジェンドの中に三浦大輔が入っているのはちょっと意外だったがコツコツやったことの証だろう。
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しかしプロ野球も進化をとげている。いまだに先発完投型投手を想定している沢村賞があったり、イニングを長く投げる先発がエライ風潮があるが、今日のプロ野球では中継ぎ、抑えの存在価値は増すばかりだ。いつ出番があるかもわからず、登板しなくてもブルペンで肩をつくることを考えれば決して軽んじられるポジションではない。
それに追撃を断ち切る意味でも三振を奪ってほしい時に奪える守護神は頼もしい限り。狙ってとるのだから奪三振一個あたりの価値は試合序盤よりもあると言っていい。
なので藤川球児のプロ野球最速1000奪三振はもっと注目してもらいたいし、ストッパーの存在意義を高めるためにも奪三振率は「奪三振数÷投球回数」というシンプルな算式に変えたらどうだろうか。これなら1イニングあたりでの比較ができるから、先発だろうが抑えだろうが関係はない。
1000奪三振時点で比較すると藤川球児と野茂英雄はこうなる。
野茂英雄 1000÷871 =1.148
藤川球児は野茂英雄超えを「何とも思っていない。(野茂の方が)全然上ですよ」と謙虚に話していた(新聞記事より)という。偉ぶらない藤川球児、何とさわやかだろうか。1000奪三振目は藤川球児も一時在籍した高知ファイティングドッグス出身の角中勝也からだった、というのも面白かった。
ちなみにNPB在籍時に限られるが、歴代奪三振数トップ100のうち、奪三振数が投球回数を上回っているのは杉内俊哉と野茂英雄の2人だけである。
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