黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

40年前の1977年プロ野球選手は年賀状に何を誓ったのか~一年の計は元旦にあり

今から40年前、プロ野球のスターたちはどんな年賀状を出していたのだろうか? その答えは週刊ベースボール1977年1月3・10日合併号に載っている。

 

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プロ野球スター選手年頭ごあいさつ集」と銘打った見開きのページ。この号はパ・リーグの巻として合計10枚の年賀状が紹介されている。

【右ページ】

福本豊(阪急)

江夏豊(南海)

・三井雅晴(ロッテ)

太田幸司近鉄

高橋直樹日本ハム

 

 

左腕の誇り 江夏豊自伝

左腕の誇り 江夏豊自伝

 

 

【左ページ】

加藤秀司(阪急)

・佐藤道郎(南海)

弘田澄男(ロッテ)

野村収日本ハム

大田卓司(クラウンライター)

 

 40年前はこうした顔ぶれが各チームの主力だったのだ。目が異常に肥えた黒柴スポーツ新聞の読者であればこれらのネタだけでご飯を3杯くらいおかわりできるはずである。

 

 面白いのは上記メンバー、主力でありながらも移籍組が多い。その後どうなったか。

江夏豊(広島、日本ハム、西武)

太田幸司(巨人、阪神

高橋直樹(広島、西武、巨人)

加藤秀司(広島、近鉄、巨人、南海)

・佐藤道郎(大洋)

弘田澄男阪神

野村収(大洋、阪神

 

 

実に10人中7人がチームを変えている。40年も前はFA制度なんてものはない。まさに自らの商品価値をもってしてチームを変わっているのだ。そう、ずっと前から仕事ができる人はどこでも仕事ができるのだ。

 

 

40年前と違うこともある。ずばり個人情報に対する意識。実は載っている年賀状によっては番地や部屋番号までばっちり見える。今なら住所が特定されて配慮がない、ということになるがこの時代はOKだったのだ。うっすら記憶しているが1980年代の選手名鑑にも住所が載っていたような。

 

 

年賀状を見ると人柄がうかがえる。

 

江夏豊高橋直樹は既製品というか印刷のみで、メッセージはなし。

 

写真を使っているのは3人。福本豊日本シリーズの表彰のものか、花束を持って高々と両手を上げているシーン。「今年もV3をめざして頑張ります」というメッセージ。太田幸司は力強い投球フォームの写真にサインをかぶせている。佐藤道郎はきりっとした背広姿で娘さんを抱っこ。「巳年にあやかり執念をもやして頑張ります」と決意表明している。

 

写真はないが目標を書いている人はほかにも。加藤秀司は「目指す V3 3冠王」。三井康晴は「十五勝を目標にして頑張りますからよろしく御願いします」。弘田澄男は「今年こそは優勝めざして頑張ります」。

 

代筆をしていない前提だが最も達筆だったのは弘田澄男大田卓司もなかなかであった。

 

このベースボールマガジンは宝物だ。実は巻末にあるグラビア(もちろん野球選手のです)の一人が福本豊。この時点で7年連続盗塁王と脂の乗り切ったスターだ。2000年代になってからまさかのご本人に出合うチャンスがあった。思い切ってサインをお願いしたら快く書いていただけた。それがこれだ。

 

 

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 大スターに会えるチャンスはどこに転がっているか分からない。

 

思えば2016年の元日に思い立って黒柴スポーツ新聞をスタートして1年。一年の計は元旦にありという。元旦、ではなかったけれど元日にブログを始めたからこそかなえられた出会いがあり学びもあった。2017年も引き続き小ネタを送り続けますので応援よろしくお願い致します。

 

ちなみに編集局長の2017年個人テーマは「人のために」。元々自分大好き、自分優先でやってきた。もちろん常識的に他人を立てることはしてきたけれど。しかしこれからは作業の先にいる人、成果の先にいる人、例えばブログで言えば自分の楽しみで書く作業の先にいる「読んでくださっている方」を今以上に意識しようという気持ちでいる。きっとそれが書く作業でも原動力になるはず。あ、やっぱり自分優先?

 

なお今から40年前、1977年ペナントレースはどうなったか覚えていますか?

 

セ・リーグ

1巨人

2ヤクルト

3中日

阪神

5広島

6大洋

 

パ・リーグ

1阪急

2南海

3ロッテ

近鉄

日本ハム

6クラウン

日本シリーズ

阪急4-1巨人

MVPは山田久志でした。

 

それでは2017年もよろしくお願い致します。


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