背番号を引き継ぐには自覚もタイミングも大事~浅村栄斗が西武伝統の3番継承
巨人の18、中日の20、ヤクルトの1。チームによって伝統の背番号がある。西武は3が特別だそうだ。それを背番号32だった浅村栄斗が2017年から付ける。
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浅村栄斗は2015年、背番号3への変更を打診されるも「もう1年、32で」と辞退していた。来季は満を持して背番号を変えるということになる。
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古くは土井正博。もともと近鉄の主砲でこの時から3だった。無冠の帝王だったが太平洋時代の1975年に本塁打王となった。通算465本塁打。
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続いて清原和博。西武という意味では最も3のイメージが強い。タイトルに縁がないのは師匠の土井正博譲りだ。本塁打は土井正博を上回る525本。
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そして中島裕之(宏之)。黄金時代後のライオンズを支えた一人だ。アメリカ挑戦以降は不発でちょっともったいない。オリックスでもうひと花咲かせてもらいたい。
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3は中島以降使われなかったのだが、ようやくそれに見合う選手になったということで浅村栄斗に回ってきた。
背番号の継承方法は二通りある。一つは背番号を先に与え成長を促す。背番号に恥じない成績を残せよという期待、激励の意味がある。
例えば広島の堂林翔太。野村謙二郎監督が見込み7を継がせ使い続けた。しかし伸び悩んでしまっている。
日本ハムに移籍した大田泰示も巨人では最初55を付けていた。松井秀喜を追えという分かりやすい期待だった。残念ながら大田も堂林も先代には程遠い状況である。大田は後に44になっている。
もう一つは背負える選手になってから付与するパターン。ヤクルトの1が典型だ。若松勉、池山隆寛、岩村明憲、青木宣親、そして山田哲人。歌舞伎役者のように次世代のスターが「襲名」している。ベースボールマガジン社が「背番号1の系譜」というカードセットを作ってしまうくらい、スターを育成し続ける上手な球団運営である。
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ポストとかポジションは空いたからといって誰でもハマるものではない。先輩が他部署に異動して「しっかり頼んだぞ!」と言われてもすぐに先輩と同じことができるわけでもない。先輩の背番号を後輩が馴染ませるにはやはりちょっと時間がかかる。
そして本当に背番号を受け継ぐのはそのユニフォームを着た時ではなく、そのユニフォームを着て活躍した時である。
背番号を引き継ぐタイミングも大事。金の卵なり期待の若手なのかもしれないがいきなりカッコいい番号を与えるのは好きではない。むしろあの背番号をもらえるように頑張ろうという選手を応援したい。駒田徳広50番、槙原寛己54番、吉村禎章55番。みんなそこからはい上がってきた。妙な根性論、精神論ではない。あくまでもガッツの範ちゅうである。
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一つ気になる記事がある。阪神の小宮山慎二が背番号変更を「ほっとした」という内容だ。阪神ファンでもないのだががっかりした。確かに阪神で結果を残した矢野燿大の背番号39を背負うのは小宮山の実績では重かっただろう。無責任に高い目標を言えないのは小宮山の誠実さの表れかもしれない。だがこの記事にあるように「レギュラーは厳しいので何かあった時に入れるように」という意識はいかがなものか。黒柴スポーツ新聞編集局長が球団の責任者ならこういう選手に払う年俸が惜しく感じてしまうだろう。
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だが背番号と選手が釣り合わないのは本人にとっても好ましくない。逆に浅村栄斗は2016年に打率3割9厘。ホームランも24本を打っており実働7年。次のステップに行くにはいいタイミングだろう。
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浅村栄斗で印象的だったのは楽天が初のリーグ優勝を決めた時。胴上げ投手が田中将大で最後のバッターが浅村栄斗だった。直球勝負で三振に討ち取られたのだが当たればホームラン級の火の出るようなスイングだった。土井正博も清原和博もそうだったように浅村栄斗にも豪快な一発が似合う選手になってほしい。
辻発彦新監督は浅村栄斗の新キャプテンも示唆しているとか。役が人を作るともいう。背番号3に恥じない活躍ができれば自ずと西武も浮上する。浅村栄斗の背中でカッコよく3が輝くのを楽しみにしよう。
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きょうの1枚は土井正博。先日の永淵洋三の記事でも土井正博のカードを紹介したが絵になる男だ。赤いユニフォームもカッコいい。土井正博は中日の打撃コーチ。ぜひ長距離砲を育ててもらいたい。