自分を客観視できない人は間違いに気付かない~日本ハム投手陣を充実させた吉井理人の「オフィス」
CSを突破した日本ハム。大谷翔平を軸にたくさんの記事が書かれているがダントツで面白かったのが現代ビジネスの吉井理人投手コーチの記事。本日のテキストとしてぜひご覧いただきたい。
「大谷翔平という天才を預かって」吉井投手コーチが明かす一流の秘密
gendai.ismedia.jp
吉井理人。箕島高校出身である。近鉄に入団し、あの10.19第一試合でも登板。ビミョーなコースをストライクととってもらえず球審に凄い剣幕で詰め寄っていた。
熱い部分が根底にあるのだろうがヤクルトなり、メジャーでの経験で多少はマイルドになっただろうか。日本ハムでは投手コーチとしてダルビッシュを指導している。
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記事タイトルは大谷翔平という至宝をいかに上手に導くかは大変だと言いたげに見えた。165キロも出せるのに吉井理人いわくまだフォームは未完成。確かに投げ終わった時少々ガタつくし、160キロ出ても当てられている。改良の余地はありそうだ。
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だが黒柴スポーツ新聞編集局長は大谷翔平のくだりよりも吉井理人が「オフィス」と呼ぶ場所が気になった。センターのフェンス手前に日本ハム投手陣が集う場があるというのだ。そこでみんなで話をするという。
日本ハム投手陣はざっくり言えば勝ちパターンで投入されるAチームと負け展開で投入されるBチームがある。チームの防御率がいい時はBチームが頑張っている時だそうだ。投手陣はほぼ毎日、みんなでBチームの様子を振り返る。よかったところも、悪かったところも。反省なくして成長なし。スポーツ選手もビジネスマンも同じである。
自分を客観的に見ることが大事だと吉井理人は説く。「自分を主観でしか考えられない選手は、何か気づくことがほとんどないどころか、感覚的にそれが自分に合っていると思って間違った方向に行ってしまうことが多いんです」
グサッ。胸に突き刺さる。黒柴スポーツ新聞編集局長も独りよがり満点の自覚ありありだからな…。気付きさえなくそれどころか誤った方向に向かうのか…。恐ろしい。すさまじく遠回りをしている。これでは成長できるわけがない。気をつけよう。
日本ハムの選手は2軍降格の時でも足りないところを問われればちゃんと答えられるそうだ。だから下でも腐らずやれる。日本ハムの層の厚みの背景を見たようだった。
先ほどの、Aチームの選手の中にはBチームから昇格した選手もいるそうだ。負け試合でも粘り強く淡々とよい仕事をすればやがて信頼感を得られる。ビジネスマンも最初は地味な雑用、事務作業があてがわれるがそういうことすらできない人はその後も責任ある仕事ができるはずがない。
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「僕のコーチングの基本は選手としっかり話し合うことです。選手はコーチがみずからの経験をそのまま押しつけてくることをもっとも嫌がります。まず選手の主張を受け入れて、選手がやりたいことを、選手の気持ちになって考え、その上で理由も説明しながらアドバイスする」(上記現代ビジネス記事より)
素晴らしい上司である。信頼関係を築けなければ話ができないと、吉井理人は自身の現役時代を振り返りながら語っている。実績のる宮西尚生、経験がある谷元圭介は放っておいても大丈夫なのでフラットに接するというから吉井理人はかなり柔軟性があると見た。
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黒柴スポーツ新聞編集局長はホークスファンゆえに残念だ。何故こんな素晴らしい人物がソフトバンクから日本ハムに行ってしまったのか(2016年、4年ぶりに日本ハム復帰)。ぶっちゃけ人間関係とか価値観とか野球観の相違、指導法、選手の起用法をめぐってなどいろいろあったのだろう。別に負け惜しみではないが吉井理人が輝ける環境が日本ハムであっただけだ。日本ハムという土壌の方があっていたのだ。合わないところで吉井理人の才能が埋もれていたかもしれないと思うとそちらのほうがゾッとする。
タナキクマル(田中広輔、菊池涼介、丸佳浩)と鈴木誠也とエルドレッドと新井貴浩というカープ強力打線を、吉井理人の愛弟子たちがどう抑えるか。現代ビジネスの記事を読んでますます楽しみになった。
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きょうの1枚は吉井理人。エクスポズ時代のカードと迷ったがやっぱり懐かしさという点では近鉄時代ということでこれにした。黒柴スポーツ新聞編集局長が仕入れた情報では1981年秋に発行された雑誌「高校野球」の箕島特集では記事に吉井理人の名前はなく、写真の端にボールボーイとしてバットを引いてる吉井理人の姿が写っていたという。甲子園、10.19、野村克也率いるヤクルト時代、メジャー…あらためてみると吉井理人の球歴はものすごく興味深い。かつてボールボーイだった吉井理人は今、何度目かの輝き時である。