黒柴スポーツ新聞

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代わりのいない人に評価を~ソフトバンク高谷裕亮の年俸3400万円は妥当なのか

もっと評価してあげてよ、と思ってしまった。高谷裕亮の年俸3400万円。現状維持だ。出場が55試合にとどまったからなのか。数字には表れない、縁の下の力持ち的な部分をもっともっと評価してあげてほしい。

日刊スポーツ記事の見出しは「ソフトバンク高谷は現状維持、盛り上げ役など評価」。グラシアルがホームランを打った後、パンチを受ける高谷のパフォーマンスはすっかり名物に。外国人選手の見送りに空港に行く高谷の写真を見たこともある。高谷はチームのよき潤滑油になっている。若手や外国人選手とのコミュニケーションも評価してもらえた、と高谷は喜んでいたがもっと第2捕手として評価してもらいたいのだ。

 

所作がいい、と解説の和田一浩に誉められていた。試合終盤、まだまだ気が抜けない展開なら若手ピッチャーは不安定だ。それも高谷はがっちり受け止めてくれる。その安定感。まだまだ甲斐拓也には出せない味だ。年齢的な落ち着きや、蓄えてきた経験がなせるわざでもある。今や中継ぎ、抑えピッチャーでも億が稼げる時代。それは中継ぎや抑えの評価が高すぎるという意味ではない。第2の捕手の評価だって、億まではいかなくとももう少し弾んであげてほしいと思う。

ソフトバンクの圧勝に終わった2019年の日本シリーズ。第4戦の9回裏、守護神・森唯斗の球を受けたのは高谷裕亮だった。そう、高谷は2019年日本シリーズの「胴上げ捕手」なのだ。正捕手としての地位を甲斐が築きつつある一方で、日本一のウイニングボールは高谷が捕った。そして高谷がシーズンに55試合も出ていることはやっぱり高谷の力がチームに必要だという何よりの証拠だと思う。

そして高谷じゃなくて甲斐で終わろうと思われるようになることが、甲斐には求められる。高谷が壁になることで、甲斐は成長するのだ。楽天はベテランキャッチャーでチームの顔の嶋基宏を起用しなくなってしまった。そして嶋は居場所を求めてヤクルトに移籍した。対照的に、ベテランキャッチャーをうまく活かしているソフトバンクは素晴らしいと思う。だからこそ、繰り返したい。打撃の方は少々目をつぶって、高谷の評価をもうちょっとだけ高めてあげてほしい、と。高谷の代わりはいないのだから。


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