黒柴スポーツ新聞

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やらされでは身に付かない~巨人鍬原のサイドスロー転向に斎藤雅樹が金言

やらされでは身に付かない。本当にその通りだと思う。巨人の鍬原がサイドスロー転向という記事(スポーツ報知【巨人】斎藤雅樹氏、鍬原のサイド転向に太鼓判「左の中川、右の鍬原になれる」)を見てつくづく思った。

斎藤雅樹と言えばサイドスロー転向で大成功した、巨人のエースだ。11試合連続完投勝利はプロ野球記録。2019年は完投数の少なさなどがネックとなり沢村賞が該当なしとなったが、候補の山口俊は完投ゼロ、有原航平は1だから、斎藤雅樹の記録はもはや破られそうにない。投手分業制がすっかり定着したという背景もあるが、先発は投げきってこそという観念はもうないのかもしれない。ともかく、斎藤雅樹サイドスローを自分の武器にしたことで殿堂入りまで果たした。

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鍬原は巨人の2017年ドラフト1位。しかし2シーズンでこれといった成績は残せなかった。記事に書いてあったが、サイドスロー転向は原監督のアイデアだという。鍬原は中学まで横手投げだったというから、あながち無理な指示でもない。そして思うように結果が出せていない鍬原に対して、何かしら新しいことをしてみたら、という親心があったのかもしれない。

斎藤雅樹もまた監督(藤田元司監督)の助言によりサイドスローに転向したと言われている。サイドスローは腰の回転が横だから、それに適しているかどうかも重要だ。斎藤の場合はドはまりしたのだが、腰の回転以上に大切な要素がある。それは自分の意思で変わろうとしているのか、である。「フォームを変えるのは勇気がいります。やらされているといった思いがあるとなかなか身につきません」と斎藤雅樹は言う。そう、変わるか変わらないかは結局、本人の気持ち一つで結果が異なるのだ。

「鍬原自身が新しいものを見つけようと積極的に取り組み、コーチと相談しながらやっていけばいいのではないでしょうか」。スポーツ報知の記事で斎藤雅樹はそう続けた。誰が助言しようとも、結局は鍬原自身が変わろうとするかが大事であり、積極的にならなければならない。その上で周りにアドバイスを求める。そうやっていけばいいのだと斎藤雅樹は鍬原にエールを送っている。

なお、スポーツ報知には関連記事があった(見出しは、球界の主なサイドスロー転向投手…巨人・角三男ら多彩な顔ぶれ)。この中では皆川睦雄に目が止まった。皆川については野村克也の著書に紹介があり、過去にブログに書いたことがある(下記参照)。

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やはり成長するかしないかという局面では、本人の気持ち、意思が重要なのだ。私自身、これは強く意識しないといけない。鍬原が変われるか、挑戦は始まったばかりだが、変わろうとする気持ちは伝わってくる。自分も鍬原にあやかって、変わるためにできることは、できる限りやっていこうと思う。


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