黒柴スポーツ新聞

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各自が持ち場を全うする~ソフトバンク「執念の継投」は美談なのか

ソフトバンクが9月15日の日本ハム戦に敗れ、西武がロッテにサヨナラ勝ちしたため、西武にマジック9が点灯。Twitterではまずい守備で西武に決勝点を献上したロッテに対する激辛コメントが並んでいたが、ソフトバンクファンとしては西武戦よりもまず日本ハム戦での敗因を見つめたい。私は6回の継投と見ている。

 

え? 甲斐野が清宮らにタイムリーを打たれた8回がポイントじゃないの?と思われるだろう。確かにそこが決定的な場面だが、伏線は6回に求めたい。なぜならソフトバンクは6回、先発した和田毅を含めて4人のピッチャーがマウンドに立った、つまり早めにコマを使ってしまったのだ。

 

和田毅からスイッチした嘉弥真は対左のワンポイントだったから仕方ないが、高橋純平が中田翔にタイムリーを浴びた。ここが痛かった。チームへの貢献度が高い高橋純平が1本タイムリーを打たれただけで責められるのは酷だが、結果的にはこれで継投のタイミングが少しずつ早まった。高橋純平は続く渡邉諒から三振を奪ったところで降板。清宮に左を当てるためにモイネロが投入された。

 

モイネロは回またぎできるから、登板が早まった1イニング分は取り返せる。しかし仮にモイネロが温存できていたとしたら……つまり、甲斐野が失点した8回にこそ、モイネロを対左として清宮にぶつけていたら……と考えてしまった。もちろんタラレバなんてプロ野球を語る上では意味がないのだが、タラレバをついつい口にしてしまうのが熱烈なファンである。

 

早いイニングや短いイニングにどんどんピッチャーをつぎ込むことをマスコミは「執念の継投」と美談に仕立てる。それは果たして的を射ているのだろうか? 特に近年はますます投手の分業化が細かくなり、回またぎなんて言葉も定着するほどだ。つまり、強いチーム、磐石なチームほどピッチャーの出番は定番化している。ソフトバンクが立て続けに「執念の継投」という記事を書かれているのは、投手陣が磐石ではない何よりの証拠に思えるのだが。

 

残り試合が一桁になった今、確かに出番がいつも通りなのかをいちいち気にしては勝てないかもしれない。しかし、スクランブル発進せずに済むならそれにこしたことはない。武田翔太の四球という悪い流れを断ち切り逃げ切った前日の執念の継投と、ヒットやタイムリーを打たれながらの前倒しの継投は意味合いが違う。残り試合が少ないからこそ、今一度各自のピッチャーが持ち場を全うする継投が見たい。

 

ライバル西武の勝ちパターン投手である平井や増田も登板が多く、特に平井はいっぱいいっぱいに見える。まさに根比べ。奮闘してきたソフトバンクの中継ぎや抑えは今が一番しんどい時だろうけれど、そんな時こそ各自が持ち場を全うすることでお互いを助けてもらいたい。


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