黒柴スポーツ新聞

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意識して「意識」する人、しない人~ノーヒットノーランの千賀と、キャッチャー大野奨太

何か大きな出来事を控えている時、あなたはそれを「意識する」派だろうか? それとも「意識しない」派だろうか? 今月2人がノーヒットノーランを達成したが、当の本人やそれにまつわる人、それぞれの思考はとても興味深い。

 

1人目はソフトバンクの千賀。ノーヒットノーランの次の登板日は宿敵西武との天王山2連戦の初日。エースとして意識しないはずがない。ところが天王山で勝ち星を挙げた翌日の新聞記事を見ると「(その試合が)大事かどうかも考えなかった」という予想外の千賀のコメントが載っていて驚いた。

 

ちなみに私は大きな予定を意識する派だ。大事なことだからこそ丁寧にやりたい。慎重にやるのはいいのだが、意識しすぎる傾向がある。だからこそ今回の千賀の思考に唸った。千賀は大事な試合かどうか、考えないくらい、自分のやるべきことに集中していたのだ。

勝てなかったらどうしよう、なんてことをあれこれ考えるよりもまずは自分がやるべきことをやる。それを実行し、結果が残せたらチームに勝利をもたらすことができる。なるほどなと思わされた。ピンチを迎えた試合終盤には好打者の栗山、勝負強い外崎から連続三振を奪った。絶対に点をやらない。そのために、投げるべき球を投げるべきコースの投げるべき高さに投げた。そこにしびれた。

BBM 2018 1st 千賀滉大 BM01 プリントサイン

BBM 2018 1st 千賀滉大 BM01 プリントサイン

 

 

 

さて、もう1人はノーヒットノーランを達成した中日の大野雄大、ではなくてキャッチャーの大野奨太。元ネタは中日スポーツの「途中からマスク、中日・大野奨太ノーノー初体験 意識して大野雄大の快挙達成サポート」だが、スタメンキャッチャーの加藤が負傷したため6回から出場した大野奨太は、見出しにあるようにノーヒットノーランをあえて意識して出場したという。

 

「考えないようにじゃなく、逆にノーヒットノーランだと思って自分は行った」(中日スポーツ記事より)
これも一つの考え方だ。千賀の場合はその試合が大事かどうかも考えなかった。だが、大野奨太はいま目の前で大記録が継続中ということもあり、意識することでリードがうまくいったのではないか。

 

普段の試合でももちろんヒットを打たれないよう配球するだろうが、特に6回という後半から、しかもノーヒットノーラン継続中からマスクをかぶるのだから、引き気味に引き受けていたらあまりよい結果にならなかったような気がする。大野雄大自身、「5回くらいから絶対打たれるやろなって思って投げていた」(東スポ記事より)そうだから、大野奨太が意識してリードしたことは意味があったと思う。

 

意識する派かしない派か聞いたが、特にどちらがよいと言うつもりはない。自分の場合はいつも意識しすぎてしまうので、そんな時は千賀みたいにまずはやるべきことをやる、そこに集中してみようと思う。そして、都合よく使い分けてみたいのだが、強気で行った方がよさそうな場面では、大野奨太のようにあえて意識しながら実行してみる。どちらも今までやったことはないが、ノーヒットノーランという快挙にあやかって、大事な予定がある時は意識して「意識する」「意識しない」を使い分けてみよう。


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