黒柴スポーツ新聞

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切磋琢磨しながら成長する~ソフトバンク椎野が3回パーフェクト救援

椎野新が躍動した。8月19日の西武戦。ソフトバンクは先発の松本裕樹が腰痛で3回を終わり降板。まだ同点だったから、継投は若干繰り上がったか。しかし結果的には椎野が3イニングで1人も走者を出さないパーフェクト救援。西武は手痛いパスボールがあり、ソフトバンクが2-1で逃げ切った。

 

まず、椎野は京セラで活躍したことに意味がある。7月にも京セラで、オリックス相手に登板したが、その時も松本裕樹が先発。8回途中まで好投したがランナーを背負い、後を嘉弥真に託したが同点タイムリーを喫してしまった。椎野はそこからマウンドに上がったのだがオリックスの勢いを止められず、満塁からマレーロに走者一掃のタイムリーを浴びたのだった。

 

だが、今回は違った。打てるものなら打ってみろ。そう言わんばかりに、長身から投げ下ろす直球は威力抜群だった。別人のように自信があふれていた。悔しい思いをした後で、椎野は任された登板機会を一つ一つクリアしていった。だからこそ19日のような大事な試合、しかも同点の場面で使われたのだ。相手はオリックスではなかったが、見事に京セラでの悪い思い出を上書きした。

 

椎野には燃える理由が他にもあった。前日、1点ビハインドの状況で甲斐野や高橋純平が、共に3者連続三振。「年齢が近いんで」と、二人の好投を意識していたことを、ヒーローインタビューで明かした。

 

西武との3連戦は初戦で山賊打線が大爆発。千賀が火を付けてしまい、どうなることかと思われたが、初戦終盤にソフトバンクは8点を返して食い下がった。13点まで届かなかったが、やられっぱなしで終わらなくてよかった。2戦目は若い投手陣の頑張りにベテラン松田宣浩と明石がタイムリーで応えて逆転勝ち。3戦目は犠牲フライと相手のバッテリーミスで勝った。終わってみれば勝ち越しだ。

 

ソフトバンクにとって、若返った投手陣の頑張りは本当に財産だ。本人たちからしたら今が一番の踏ん張り時だが、優勝に向かって突き進める経験は誰もができるものではない。それを甲斐野、高橋純平、椎野は切磋琢磨しながらできている。中継ぎや抑えは、抑えて当たり前、打たれたら即戦犯という厳しいポジションだが、打線におんぶにだっこではなく、逆に抑えて打線に流れを持ってくるあたりは大したものだ。これからも若き中継ぎ陣から目が離せない。


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