黒柴スポーツ新聞

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やった人にしか分からない実感~DeNA山崎康晃が史上最年少150セーブ

DeNA山崎康晃が史上最年少150セーブを記録した。150セーブは15人目。歴代の達成者はそうそうたる顔ぶれだ。

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山崎康晃は5年目での達成だから、単純計算で平均30セーブ。すごい安定感だ。たまに捕まることもあるが、そもそも毎回抑える方が大変。抑えは失点ゼロで締めくくるのが当たり前くらいに思われているから気の毒な気もする。打たれたら大騒ぎされるし、割に合うかと言われたら本人たちはそうでもないのかもしれない。

 

しかし山崎康晃はクローザーに強いこだわりを持っている、と日刊スポーツ記事「自身を救い、勝利届ける山崎康晃のDIY/独占手記」に書かれていた。そうだった。山崎康晃にも悩んだ時期があった。いつも抑えているから、忘れていた。

 

新聞記事で読んだのだが、不調の山崎康晃筒香嘉智に呼ばれ、こう教えられたという。

「大きく見える投手がおれは嫌だ」

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いわく、不調の山崎は表情やしぐさに不安がにじみ出ていたというのだ。抑えピッチャーはうそでも堂々としていなければならない。かつて巨人在籍中の豊田が登板すると胸に手をやり深呼吸するルーティンをしていて、江川卓にダメ出しされていたのを思い出した。そんなピッチャーはのみこまれてしまう可能性があるんだ、と。

 

そんなことがあり、山崎康晃はマウンドで胸を張るよう心がけている。虚勢を張り続けるのもしんどいものだし、化けの皮や付け焼き刃はいつか剥がれ落ちるものだ。大切なのは実力を付けること。山崎康晃の150セーブは本当に力がないとできない数字だ。

 

実は山崎康晃は先発からスタートし、先発ピッチャーとして定着できなかったことに引け目を感じていたというのは初めて知った。だが今は抑えに強いこだわりを持っているという。それは山崎康晃が抑えを一生懸命やったからこそたどり着い境地に思える。そして結果を出し続けたからこそたどり着いたのだ、とも。任された仕事のしんどさもやりがいも、本当のところはやった人にしか分からない。


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